著者
李 元重 Wonjung Lee
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
キリスト教社会問題研究 = The Study of Christianity and Social Problems (ISSN:04503139)
巻号頁・発行日
no.65, pp.43-78, 2016-12-22

1904年旧日本基督教会が朝鮮半島の日本人を中心に伝道を開始した以来、日本の敗戦まで朝鮮半島の日本人教会の数は最大50、その信徒は5400人を超えていた。戦後、すべての日本人信徒は日本に引き揚げたが、彼らが使っていた教会の礼拝堂と牧師館などは、解放後教会の再建を試みていた朝鮮の牧師とキリスト者の一部が伝道を開始するか、あるいは既存の教会の再出発の土台になることができた。韓国の草洞教会と日本の青山教会は、それがきっかけでエキュメニカル宣教を展開した。
著者
梅木 真寿郎 ウメキ マスオ Umeki Masuo
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
キリスト教社会問題研究 = The Study of Christianity and Social Problems (ISSN:04503139)
巻号頁・発行日
no.66, pp.73-106, 2017-12-22

論説(Article)本研究は、竹中勝男のキリスト教観における社会観や思想的な内実、変遷の過程について考察し、竹中のキリスト教社会事業における概念構成や基準とはいかなるものであったのかを明らかにすることを目的とするものである。①竹中とラウシェンブッシュの社会的福音の関係、そして②単著『基督教社会思想史』と訳書『キリスト教社会愛史』の分析から、③竹中の基督教社会事業におけるキリスト教の社会思想について検討した。竹中の基督教社会事業は、キリストの愛(Caritas)を起点に、任意主導性による社会化を経た個人・集団・共同社会における要救護性に対しての社会的活動であることが明らかになった。The purpose of this study is to clarify the construciton of a framework and criteria for the Christian Social Work of Katsuo Takenaka in additon to the changes of his view on Christianity, Society and the Thought. As a method of research : (1) to examine the influence of Walter Rauschenbusch's view of Social Gospel on Takenaka's view of Christianity : (2) to analyze the relation between History of Christian Social Thought and Stories of Social Christianity : (3) to examine the Christian Social Work of Takenaka focusing on Christian Social Thought. The results show that his Christian Social Work is social activity for the need of relief of the vulnerable people, groups and community. That is to say, it's socialization of human security with voluntary action based on Caritas.