論説(Article)本稿は児童文学研究の観点から、イギリスの児童文学Peep of Dayシリーズの受容と、日本における翻訳とその影響について考察した。Peep of Dayとその続編Line upon Line、Precept upon Preceptは教派や地域を問わず、明治初期の宣教師による教育活動に頻繁に用いられていたことが明らかになった。また、長老派のカロザースやアメリカン・ボードのジュリア・ギューリックがそれぞれ翻訳を手掛けたが、訳文はともに漢字を読めない人々にも読めるような工夫がなされおり、伝道を目的としながら同時に子どもや女性に書物を届けようとする試みでもあった。
特集ミッション高等教育史の可能性 : 人文科学研究所国際学術シンポジウム「磁場としての東アジア」第1回記録(Special Issue: The possibilities of the history of higher education under missionary control : proceedings of international symposium "East Asia as a magnetic field", (1))