著者
Pevnov A. M.
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.113-125, 2009-03-08

My aim is to outline some problems and prospects of the study of two endangered languages of Sakhalin (namely Nivkh and Uilta which was previously called Orok). I believe that collaboration of Russian and Japanese linguists can substantially contribute to solution to many problems including those mentioned below.
著者
津曲 敏郎
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.1-10, 2009-03-08

本稿ではまずサハリンの言語状況を概観し、特に近年のウイルタ語をめぐる動きを紹介する。次にサハリンの先住民言語の間に見られる単語の相互借用について、先行研究からいくつかの例を紹介するとともに、あらたな事例を提供する。最後に、単語借用以外の文法面や口頭文芸においても影響関係が見られることにふれ、「言語地域」としてのサハリンの重要性を指摘する。
著者
村崎 恭子
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.71-84, 2009-03-08

The Ainu language can be divided into three main dialect groups: Hokkaido Ainu (HA), Sakhalin Ainu (SA), and Kuril Ainu (KA). It is generally considered that the Ainu number system is based on a vigesimal system. However, as far as modern SA is concerned, a decimal system is used. This paper gives actual examples from the available materials and compares them with KA and HA. I hope to consider the relevant linguistic changes and historical background with everyone here.
著者
風間 伸次郎
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.127-144, 2009-03-08

本稿は前半部と後半部からなる。前半部ではニブフ語の類型論的な対照、後半部ではニブフ語とツングース諸語の言語接触を問題にする。前半部は、特に文法に関して、類型論的な観点からニブフ語とその近隣諸言語の異同について対照を行うものである。近隣諸言語としては、特に朝鮮語とツングース諸語を重点的にとりあげる。必要に応じて、日本語、モンゴル語、アイヌ語、エスキモー語などもとりあげる。後半部の言語接触に関しては、ツングース諸語(特にウルチャ語)からニブフ語への借用、もしくはその逆方向への借用をとりあげて論じる。
著者
風間 伸次郎
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.127-144, 2009-03-08

北大文学研究科北方研究教育センター公開シンポジウム「サハリンの言語世界」. 平成20年9月6日. 札幌市
著者
村崎 恭子
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.71-84, 2009-03-08

北大文学研究科北方研究教育センター公開シンポジウム「サハリンの言語世界」. 平成20年9月6日. 札幌市
著者
田村 将人
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.145-155, 2009-03-08

Tasuke YAMAMOTO (1904-1993), a Hokkaido Ainu man who was born in Kushiro, made a trip to two Sakhalin Ainu's villages (Niitoi and Shirahama) in 1936-1937. He then recorded vocabulary of the Sakhalin dialect of Ainu and oral-history about chiefs. His notes were donated to the Municipal Library of Kushiro in Hokkaido.
著者
山田 祥子
出版者
北海道大学大学院文学研究科 = Graduate School of Letters, Hokkaido University
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.11-26, 2009-03-08

サハリンの先住民族ウイルタの話す言語であるウイルタ語には、ワール(Val)などを含む北の地方とポロナイスク(Poronajsk)などを含む南の地方との間で方言差があるといわれてきた(Novikova & Sem 1997: 214、池上2001[1994]: 249)。しかし、両方言を体系的に比較・対照する研究はこれまでのところ池上(2001[1994];以下、初出年は省略)に限られ、その差異の問題には依然として未解明の部分が多く残っている。現在、ウイルタ語の話者数は全員数えても20 名に満たないとまでいわれている。このような危機的状況のなか、言語の保持・伝承に対する話者や研究者たちの積年の思いが結実し、2008 年4 月この言語初の文字教本(Ikegami et al. 2008)が出版された。その内容は、南北の地方で異なる語形を併記するなど、この言語の方言差の存在をはっきりと意識させるものとなっている。これは、研究者の意図だけでなく、編集に携わった話者たちによる方言区分の認識と志向が如実に反映された結果であるといえよう。しかし、その表記のなかには一貫しない部分も少なからずあり、ここにも今後のより体系的かつ詳細な方言の記述研究の必要性がうかがわれる。そこで本稿は、今後のウイルタ語方言研究において注目すべき課題を提示することにより、本研究の意義と展望を打ち立てることを目標とする。ここでは一貫して、池上(2001)による方言分類にもとづき、南方言を基準とした北方言の相違点を述べるという流れで論を展開する。ただし、本稿で述べるいずれの相違点も今後の調査に向けての問題提起であり、あくまでも今後の検討を要するものであるということをあらかじめことわっておく。全体の構成は以下のとおりである。まず1.では、ウイルタ語の方言分類に関する先行記述を概観する。次いで2.では、池上(2001)の記述にもとづく課題を4 点取り上げ、今ある資料から再検討する。3.では、筆者自身がこれまで南方言を中心に検討してきた課題2点について、方言の観点から再解釈する必要性を提示する。最後に4.で、結論としてこれまでの論点をまとめ、今後ウイルタ語北方言の調査を行なう展望を述べる。
著者
笹倉 いる美
出版者
北海道大学大学院文学研究科 = Graduate School of Letters, Hokkaido University
雑誌
サハリンの言語世界 : 北大文学研究科公開シンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.41-48, 2009-03-08

Dr. Takeshi Hattori (1909-1991) was a linguist on the Nivkh (Gilyak) language. Before the end of World War II, the southern part of Sakhalin island (south of latitude 50 degrees north) was the Japanese territory. The indigenous peoples such as Nivkh, Uilta and others, except Ainu, mostly lived in Otasu located in the suburbs of Shisuka (now Poronaisk). Dr. Hattori went to Otasu and made fieldworks. He also invited Nivkh informants to Sapporo where he lived. In 1994, a collection of Dr. Hattori's Materials (books, notebooks, recording tapes, microfilms, and photos) was contributed to the Hokkaido Museum of Northern Peoples. We call it Hattori Bunko. This paper will present the outline of the collection which shows some aspects of his research in the Nivkh language.