著者
Sedgwick Eve Kosofsky
出版者
お茶の水女子大学ジェンダー研究センター
雑誌
ジェンダ-研究 (ISSN:13450638)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-11, 2001-03

イヴ・コゾフスキィ・セジウィック教授は、現在ニューヨーク市立大学の教授であり、クイア理論およびセクシュアリティの研究の世界的な第一人者である。またセクシュアリティのみならず、大きくフェミニズムの領域においても、学問研究に留まらず、運動の面でも大きな影響を与えている。著書は多数あるが、Between Men (1985)では「ホモソーシャルな欲望」という概念を提示し、Epistemology of the Closet (1990)[外岡尚美訳『クローゼットの認識論』青土社、1999]では、クローゼットの可視性/不可視性のパラドックスを鋭く突いた。彼女の独創性のひとつは、女や非=異性愛の位置ではなく、異性愛の男の位置を分析することによって、性の言説に切り込んだことである。著書は他にTendencies (1993)、Fat Art, Thin Art (1994)などがある。本講演は2000年10月7 日に本学の言語文化学科英語圏コースと共催して、セジウィック教授を招聘した折の公開講演会のものである。講演会では最新作A Dialogue on Love (1999)の朗読も行われた。なお、本稿は竹村和子(本学助教授)、大橋洋一(東京大学教授)により翻訳されて『現代思想』2000年12月号(青土社)に掲載されている。