著者
渋谷 真樹
出版者
奈良教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

2007年8月のスイス調査では、日本語学校(教室)2箇所にて、継承語としての日本語教育を参観した。また、国際児7人、母親6人、教師5人に対して、日本語を中心とした日本文化への意識について、聞き取りをした。2008年2月のスイス調査では、日本語学校(教室)2箇所もて、継承語としての日本語教育を参観した。また、国際児7人、母親・父親4人、教師2人に対して、日本語を中心とした日本文化への意識について、聞き取りをした。また、日糸国際児が主催するコミュニティについて調査した。これらの調査から、1 国際結婚をしてスイスで子育てをしている日本人女性の中には、自分の子どもが日本語を習得することを希望する人々が少なからず存在する。その希望は時代によって異なり、ここ20年で日本語教育熱が増加・一般化している。2 スイスの日糸国際児が日本語学習の機会が得かられるか否かは、居住地域(日本人が多く住む都会の方が得られやすい)や、親が子育てに割ける時間(共働きの場合は得にくい)、家族の日本語学習への姿勢(非日本人の親やその家族が協力的な場合は得られやすい)などに影響される。3 スイスの都市部には、継承語としての日本語教育の場が複数存在し、国際児を中心とした子どもの実態に合わせた教育が行われている。最長のものでは、20年以上の歴史をもつ。4 聞き取り調査を行った国際児は、子ども期に日糸であことをからかわれる等した者もいたが、おおかた自分と日本とのつながりに対して肯定的であった。子ども期に日本語学校・教室で学んだ者は、当時は日本語学習を面倒または負担に感じていたと語る者が多かったが、現時点では、日本語能力獲得できたことを高く評価していた。一方、日本語を習得しなかった国際児は、習得した方がよかった、これから習得したい、と語る者が多く、現に成人して学習する者も複数いた。