著者
安藤 玲子 高比良 美詠子 坂元 章
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.suppl, pp.65-68, 2005-03-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では, インターネット(以後, ネット)使用が小学生の情報活用の実践力を高めるかについて検討した.Eメール, Webページの閲覧などのネット使用量と情報活用の実践力との因果関係を推定するために, 小学生を対象にパネル調査を行なった.その結果, ネット使用量が全体的に多いと情報活用の実践力全体および収集力と表現力が高まることが示された.ツール別には, 主にEメールやWebページの閲覧が, 情報活用の実践力全体や複数の下位能力の向上に効果があった.特にEメールでは, 情報活用の実践力全体, 収集力, 判断力, 発信・伝達力に関して双方向で正の効果が示され, その効果が相乗的に増幅される可能性を持つものであった.
著者
稲葉 利江子 高比良 美詠子 田口 真奈 辻 靖彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45085, (Released:2022-01-12)
参考文献数
16

2020年度新型コロナウィルス感染拡大防止のため,大学教員は否応なくオンライン授業に取り組むことになった.オンライン授業において授業効力感を得られた場合,多くの授業が対面授業に戻った後も,部分的にオンライン授業やICTツールを継続的に利用していく可能性がある.そこで,本研究では,大学教員のオンライン授業における授業効力感に着目し,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT利用量」の3要因からの効果を明らかにすることを目的とした.具体的には,2020年7月〜8月に大学教員向けに実施したアンケート調査を基に,オンライン授業における授業効力感が,「指導方略」,「学生の状況把握」,「学生の活動促進」の3因子からなることを明らかにした.その上で,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT利用量」の影響を検証するため,階層的重回帰分析を行った.その結果,講義,演習・実習,ゼミ・セミナーという授業形式に依らず,「学生の受講態度」が教員のオンライン授業における授業効力感の向上に全般的に影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
稲葉 利江子 高比良 美詠子 田口 真奈 辻 靖彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.241-253, 2022-05-20 (Released:2022-06-22)
参考文献数
16

2020年度新型コロナウィルス感染拡大防止のため,大学教員は否応なくオンライン授業に取り組むことになった.オンライン授業において授業効力感を得られた場合,多くの授業が対面授業に戻った後も,部分的にオンライン授業やICT ツールを継続的に利用していく可能性がある.そこで,本研究では,大学教員のオンライン授業における授業効力感に着目し,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT 利用量」の3要因からの効果を明らかにすることを目的とした.具体的には,2020年7月〜8月に大学教員向けに実施したアンケート調査を基に,オンライン授業における授業効力感が,「指導方略」,「学生の状況把握」,「学生の活動促進」の3因子からなることを明らかにした.その上で,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT 利用量」の影響を検証するため,階層的重回帰分析を行った.その結果,講義,演習・実習,ゼミ・セミナーという授業形式に依らず,「学生の受講態度」が教員のオンライン授業における授業効力感の向上に全般的に影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
高比良 美詠子 安藤 玲子 坂元 章
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.87-102, 2006 (Released:2006-10-07)
参考文献数
44
被引用文献数
17 16

本稿は,パーソナリティの形成・発達研究において変数間の因果関係を推定したい場合に,縦断調査を利用する方法について概説したものである。まず,因果関係を推定するための研究方法として,実験,横断調査,縦断調査の3つを取り上げ,それぞれの特徴と限界について述べた。次に,縦断調査の一形態であり,変数間の因果関係を双方向的に検討できるパネル調査に焦点をあて,交差遅れ効果モデルによって因果関係の分析を行う方法を説明した。そして,変数間の因果関係について推定するためにパネル調査を行った実例として,インターネット使用と攻撃性の関係を検討した筆者らの研究について紹介した。なお,この研究では,インターネット使用から攻撃性への因果関係と,攻撃性からインターネット使用への因果関係が,双方向的に検討された。そして,最後に,より精度の高い因果関係の推定を行うために注意すべき点についてまとめた。
著者
清水 康敬 高比良 美詠子 高津 直己 新井 健一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.357-367, 2012
参考文献数
13
被引用文献数
1

画面の大きさと映像内容が同一の2台のディスプレイ(ハイビジョンと従来のテレビ映像)を並べて置き,幼稚園に通う3〜5歳児に提示した.その際の幼児の自主的な行動(どちらのディスプレイに近づいていくか)を観察すると共に,2台のディスプレイに対する好みと,選好理由を口頭で報告させた.その結果,いずれの年齢の幼児も,ハイビジョン側に近づいて映像を視聴しており,ハイビジョンの方をより好んだ.また,年齢の上昇に伴い,選好理由としてハイビジョン映像の良さを挙げる幼児が増加した.