著者
鏡味 明克 Kagami Akikatsu
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-9, 1990-02-28

商店街名と商店街をもとにした町名等の商業地名について、その西日本型の特徴、流行、分布に関する言語地理学的研究を行う。広島型の本通、九州型の銀天街、新天街等の名について、全国型の銀座通との比較を加えて、全国型と西日本型との接触、西日本型の分布域、命名、伝播の型を考察する。
著者
大谷 正人 オオタニ マサト OTANI Masato
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.1-10, 2004-03-31

ベートーヴェン、スメタナ、フォーレという3人の大作曲家(3人とも名演奏家でもあった)における聴覚障害の創造への影響を検討した。ベートーヴェンの場合、聴覚障害は名ピアニストとして社交界での寵児でもあった青年期に発症したこともあり、遺書を書くほどの衝撃をもたらしたが、その不屈の精神により、主題の徹底的展開によるソナタ形式の完成をもたらした。スメタナの場合、オペラの指揮者としても活躍していた最盛期に急激に発症し、わずか4ヶ月で完全に聴力を失ったこと、その後には器質性精神障害を伴ったことから、最も悲劇的な様相を呈したが、同時に「わが祖国」や「わが生涯より」のような自伝的な不滅の傑作をもたらした。フォーレの場合、初老期における発症で進行も徐々であったため、その影響は表面的にはまだ穏やかで、声部の中音域化やポリフォニー化などをもたらした。3人に共通しているのは、音楽の深化、凝集化、内省化であった。
著者
丹保 健一 Tanbo Ken-ichi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-12, 1999-03-01

ヨウダが表すとされる「様態」「推量」「伝聞」「婉曲」の意味について考察し、「様態」的なものと「推量」的なものの比重が「時間的空間的心理的」遠近によっていること、「伝聞」に擬似的なものがあること、「婉曲」と呼ばれるものに推量的なものが混在していること等についての指摘をした。
著者
鏡味 明克 Kagami Akikatsu
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-10, 1988-02-27

北勢地方では、その名古屋方面への交通の至便さから名古屋への通勤通学者が激増している。京阪式アクセントの桑名市からアクセント体系の異なる名古屋(東京式アクセント)へ高校通学した青年層のアクセントがどう変化したかを調査した。あわせて隣接の長島町(東京式)から同県内のアクセント体系の異なる桑名市へ通学した場合、長島町から同じアクセント体系の県外名古屋方面へ通学した場合はどうか、の比較を加え、アクセント境界地域で境界を越えて通学する青年層の言語変化の動態をとらえることを目指した。