著者
伊藤 隆司 丹保 健一 余 健 鈴木 幹夫
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 熊野市市街地、飛鳥町、紀和町における方言調査をふまえ、熊野らしさを体現している「タバル」(いただく)関係の語彙に焦点を当て、小学校の授業で活用可能なビデオ教材を2編作成した。(2) 小学校5・6年生を対象としてビデオ教材を用いた実験授業を行った。(3) 熊野市立飛鳥小学校の学校文集を中心として、教材化にむけた分析作業をすすめた。(4) 以上の成果を報告集(A4判65頁)にまとめ、当該地域の小中学校に還元した。
著者
丹保 健一 Tanbo Ken-ichi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-12, 1999-03-01

ヨウダが表すとされる「様態」「推量」「伝聞」「婉曲」の意味について考察し、「様態」的なものと「推量」的なものの比重が「時間的空間的心理的」遠近によっていること、「伝聞」に擬似的なものがあること、「婉曲」と呼ばれるものに推量的なものが混在していること等についての指摘をした。
著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.11-22, 1988

佐治氏の命名になる「状況陰題文」は、題述文の一つというより、状況に深く係わりを持つ特殊な存現文、強いて名付ければ、「状況存現文」とでもいうべき性格を持つ文である。というのは、状況陰題文における「状況」は、判断の対象としての主題というより、表現、理解のための無意識の前提として働いているにすぎないからであり、又、状況陰題文の述語が持つ判断作用は、文末の感動表出によりコト的なものとして収まると考えられるからである。
著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-20, 1992

多義語に見られる語義分割(意味立項)の実態を、「多い」「無い」「新しい」「重い」「強い」「難しい」「青い」「明るい」「甘い」「痛い」「美味しい」「寂しい」「寒い」を数種の辞書によって調査し、これらの形容詞の語義分割の基準として、①具体性、抽象性 ②モノ性、ヒト性、コト(ガラ)性、 ③実質、刺激、時間、価値、数量、程度、機能、体力、能力、姿態、性格、態度、心情、 ④体感、心感、 ④存在、所有、 ⑤原因・要因、 ⑥評価、が重要な位置を占めることを示した。