著者
余 健
出版者
三重大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.43-51, 2011-03-01

四日市市水沢地区における遊びことばの豊かさ(地域差や世代差)について隣地面接調査とアンケート調査から多角的に解明し、当地の水沢小学校で授業実践することを通じて、子どもたちに友達や家族、そして地域との絆を再確認し、さらに深めてもらうことを目指している。
著者
伊藤 隆司 丹保 健一 余 健 鈴木 幹夫
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 熊野市市街地、飛鳥町、紀和町における方言調査をふまえ、熊野らしさを体現している「タバル」(いただく)関係の語彙に焦点を当て、小学校の授業で活用可能なビデオ教材を2編作成した。(2) 小学校5・6年生を対象としてビデオ教材を用いた実験授業を行った。(3) 熊野市立飛鳥小学校の学校文集を中心として、教材化にむけた分析作業をすすめた。(4) 以上の成果を報告集(A4判65頁)にまとめ、当該地域の小中学校に還元した。
著者
余 健
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

今年度の目的は、過去2年間に行ったアクセント調査のデータを整理し、考察を深めることにあった。分析基準を確定することに手間取り、更なる詳細な考察は今後の課題であるが、ひとまず全体的な特徴として以下の点が明らかになった。F0最大値とF0最小値の差の平均値やFO曲線図より、どのアクセント型も北摂と南河内における若年層より高年層の方が、高低の起伏の大きいことを認められた。特に低起式無核においては、若年層より高年層の方が約3倍、抑揚が大きく、生理的な自然下降に反して上昇しようとする京阪式アクセントの力強さを典型的に表現しているものといえるだろう。また、高起式無核における気づきにくい方言音声の特徴として、「右肩下がりの自然下降の度合いが大きいほど、伝統的な京阪式アクセントの高起式無核に聞こえる」という仮説を提示した。この点については、今後聴覚実験を行い検証したい。一方で、1拍名詞の上昇調や下降調、そして2拍名詞の拍内下降調も含めた京阪式アクセントらしさの象徴である急激な上昇や下降は、南河内高年層>北摂高年層>南河内若年層>北摂若年層の順でなくなりつつあるというのが、実情のようである。この背景には、北摂地域の「人の流動性の強さ」という言語外的な要因と特に低起上昇音調の特徴が弱まりつつあるという点に関しては、生理的な自然下降に逆らう低起上昇式の有標性の言語内的な要因を想定し得る。
著者
余 健 YO Ken
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.217-225, 2015-03-31

2009年度以降、三重県四日市市南部地域で継続してきた臨地方言調査の調査結果を生かした三重大生による各小学校での授業の内、2011年2月に実施した水沢小学校での授業に焦点を当て、その成果と課題の検証を行った。三重のことばに自信を持てていない若年者が多い中、公教育の場で、ビデオ教採等を有効に活用しながら、方言を題材に取り上げる意義は大きいといえる。