著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.11-22, 1988

佐治氏の命名になる「状況陰題文」は、題述文の一つというより、状況に深く係わりを持つ特殊な存現文、強いて名付ければ、「状況存現文」とでもいうべき性格を持つ文である。というのは、状況陰題文における「状況」は、判断の対象としての主題というより、表現、理解のための無意識の前提として働いているにすぎないからであり、又、状況陰題文の述語が持つ判断作用は、文末の感動表出によりコト的なものとして収まると考えられるからである。
著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-20, 1992

多義語に見られる語義分割(意味立項)の実態を、「多い」「無い」「新しい」「重い」「強い」「難しい」「青い」「明るい」「甘い」「痛い」「美味しい」「寂しい」「寒い」を数種の辞書によって調査し、これらの形容詞の語義分割の基準として、①具体性、抽象性 ②モノ性、ヒト性、コト(ガラ)性、 ③実質、刺激、時間、価値、数量、程度、機能、体力、能力、姿態、性格、態度、心情、 ④体感、心感、 ④存在、所有、 ⑤原因・要因、 ⑥評価、が重要な位置を占めることを示した。