著者
中村 綾李
出版者
千葉大学大学院人文公共学府
雑誌
千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書 = Chiba University Graduate School of Humanities and Study of Public Affairs Research Project Reports (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.324, pp.33-40, 2018-02-28

[要旨] 税金は、国民生活や経済社会と密接に関係するものであり私たちの暮らしを大きく支えている。また、様々な公共サービスを提供する活動の財源にもなっており、税制度は国民にとって大切なものである。次世代を担う子どもたちが、税金について正しい知識と理解を持ち、国の在り方を納税者として考えることをできるようにすることが必要である。租税教育の充実に向け、学校だけではなく多くの団体が租税教育事業に取り組んでいるが課題もある。中学校社会科の授業における租税教育では、学習指導要領の内容を子どもたちが十分に理解をし、納税者としての自覚を持てるような授業がなされていないのではないだろうか。本稿は、納税と生活における行動との繋がりを題材とした、ゲーミフィケーションの考えを用いた「目指せ!パーフェクト納税者」という教材を作成し、租税教育における教材としての有効性と課題について明らかにした。
著者
小牧 瞳 伊藤 晃一
出版者
千葉大学大学院人文公共学府
雑誌
千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書 = Chiba University Graduate School of Humanities and Study of Public Affairs Research Project Reports (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.324, pp.41-52, 2018-02-28

[要旨] 本稿は、千葉大学教育学部藤川研究室で12年にわたり継続されている「読書会」と呼ばれる活動についての報告である。本「読書会」では、哲学書等の難解な文献を参加者で一文ずつ解釈するとともに、担当者が次回の「読書会」までに、「読書会」の中で行われた議論を論文調にまとめる、「プロトコル」と呼ばれるものを作成する。藤川研究室では、この「プロトコル」作成という営みを大切にしてきた。前半は、現在行なっている「読書会」の様子の記述し、「読書会」発足の経緯と、現在までの変遷をまとめた。後半は、本読書会と、世間一般に呼ばれている典型的な読書会と、大学等で一般的に行われている文献購読形式の演習との違いを、ゲーミフィケーションの知見を用いて比較検討した。他の読書会のゴールは文献を読み、議論することであるが、当「読書会」は「プロトコル」作成が一つのゴールと認知されており、それが参加者のモチベーションを支えている。