著者
飯島 淳 藤川 大祐 小池 翔太 牛腸 綾香 伴 佐和子
出版者
千葉大学大学院人文公共学府
雑誌
千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書 = Chiba University Graduate School of Humanities and Study on Public Affairs Research Project Reports (ISSN:24348473)
巻号頁・発行日
no.357, pp.11-20, 2020-02-28

[概要]情報技術の進展が社会の状況を大きく変えている中、学校教育は社会の変化に対応できているとは言い難く、特に教員養成教育においてはほとんど対応がなされていない。このような問題意識から、千葉大学教育学部では2013年度より学生たちが情報社会の現状に直に触れつつ、学校教育のあり方についても考えられるような産学連携の演習授業を開講している(藤川ら2014)。2018年度にはVTuberを教材として取り入れた新たなプロジェクトを始動させた。2019年度は昨年度の試みを引き継ぎつつ、大学生と小学6年生が個々の性格や能力、アイディアや適応力を発揮できるようにタスクや役割を分業することを推奨するなど、協働学習を志向した授業開発を目的とした。その結果、VTuberの特性であるインタラクティブなアバター表現を有効に活用し、総合的な学習の時間という枠組みにおいて探究的な学習かつ国語的でも図工的とも言えるクリエイティブな授業を実践することができた。
著者
岡野 健人 藤川 大祐
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.274-279, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルを利用した生成AIが注目を集めている.活用のためには,その性質を理解し利点と欠点を考慮した上で使用するといった,生成AIリテラシーを身に着ける必要がある.本研究では,ChatGPT APIを用いて独自データ活用型生成AIチャットボットを製作することが可能なプログラムを作成し,学習者がチャットボットの製作を通して生成AIリテラシーを学ぶ教育実践デザインを検討した.
著者
藤川 大祐
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.259-266, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

ゲーム理論,「言語ゲーム」論,「遊び」研究,ゲーム哲学,ゲームデザイン研究やゲーミフィケーションといったゲームに関係する諸研究を概観し,教育におけるゲーム的構造として,主に児童生徒に起因する学校環境への適応,退屈への対処,人間関係形成に関するゲーム的構造や,主に教師に起因する児童生徒が積極的に教育活動に参加しやすくしたり退屈に対処したり学校環境に適応できるようにしたりするためにデザインされたゲーム的構造がありうることを示した.さらに,小学校の学級担任からのインタビューから,実際の小学校において教師の立場から見るゲーム的構造の具体例を示した.
著者
阿部 学 藤川 大祐 山本 恭輔 谷山 大三郎
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.55-60, 2019-12-01 (Released:2020-06-01)

本研究では,「SOSの出し方」について子どもたちに考えてもらうことを目指し,分岐と選択を取り入れた動画教材と,その教材を用いた授業プログラムの開発を試みた。公立A中学校2年生143名に授業を実施した結果,動画教材や授業内容についての評価を求めた事後アンケート,悩みや不安を抱えた時の意識を問うた事前・事後アンケートなどの多くの項目において肯定的な結果が得られた。今後は,話し合いのプロセスの詳しい分析などを行い,授業プログラムの有効性の検証と改善を重ねる必要がある。
著者
藤川 大祐
出版者
千葉大学教育学部授業実践開発研究室
雑誌
授業実践開発研究 = Study on Development of Teaching (ISSN:18848818)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-10, 2021-03

[要旨] 本稿では、いじめの構造をゲームとして捉え、特にLINEのステータスメッセージに誰のことかが明記されない形で悪口を書く「ステメいじめ」のように、対象者が被害を訴えようとしても訴えにくい「ダブルバインド型いじめ」について、こうしたいじめがどのようにして生じ、どのようにして抑止が可能かを検討した。この結果、ダブルバインド型いじめはいくつかの条件分岐の結果生じること、そして条件を変えることによってダブルバインド型いじめが回避されうることが確認された。条件を変えるためには、アンガーマネジメントやストレスコーピングに関する教育、アサーション・トレーニング等の非攻撃的な自己主張に関する教育が必要であることに加え、ダブルバインド型いじめになりうる行為を行うことを認めない規範の構築が必要だということが明らかとなった。
著者
阿部 学 藤川 大祐 山本 恭輔 谷山 大三郎 青山 郁子 五十嵐 哲也
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.67-72, 2018-12-01 (Released:2019-06-01)

本研究では,脱・傍観者の視点を取り入れたいじめ防止授業プログラム「私たちの選択肢」の開発を行った。授業においては,クラスの雰囲気といじめ抑止の関係について学んでもらうことをねらい,選択と分岐という工夫を取り入れた動画教材を活用した。実践結果についての考察から,本授業の有効性が概ね示された。
著者
阿部 学 藤川 大祐 狩野 明香理
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.46-51, 2016-12-01 (Released:2017-06-01)

将来の「教育の情報化」を担う教員を養成することをねらい,教員養成学部においてアプリ教材を制作する授業を行い,小学校でのアプリ体験の実践までを行った。小学校での実践の結果や,学生へのアンケート結果からすると,この授業では概ねねらいを達成できたと考えられる。
著者
青山 郁子 藤川 大祐 五十嵐 哲也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.189-192, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
14

本研究は,小・中学生の「ネットいじめの芽」の経験,そうした状況における深刻度の認識,対処の自信・対処行動について調査した.調査対象者は小・中学生419名,調査時期は2015年2月である.結果は,ネットいじめの芽の状況に関して男子よりも女子の方が多く経験を報告した.対処の自信において性差と学校間に有意な差は見られなかった.深刻度の認識では,小学生の方が問題の深刻さを認識していた.また,小学生の方が概ね積極的な対処行動を回答する一方で中学生は回避的な対処行動を選択してした.これらの結果から,予防においては,いじめの問題の深刻度の共有とともに,問題解決へのより適切な対処行動が取れるよう,発達段階に応じた予防対策の必要性が示唆された.
著者
藤川 大祐
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.201-207, 1992-03-30

Classes on four subjects (Japanese, mathematics, science, and social studies) in a junior high school classroom are observed and video-recorded, and later transcribed. And the four teachers are interviewed by stimulated-recall. Then questioning strategies of three teachers (except mathematics) are analysed, using the methods of "classroom discourse" research and "teachers' thought processes" research. For each teacher, various problems concerning the questioning strategies are identified. And common characteristics of the three are discussed.