著者
青柳 誠司
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 = Journal of the Visualization Society of Japan (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.33, no.131, pp.145-148, 2013-10-01
参考文献数
18
被引用文献数
4

無痛針の手本として蚊の針に着目し,高速度カメラと長作動距離拡大レンズを組み合わせたシステムを用い,蚊の穿刺動作の詳細観察を行った.その結果,針が複数本の針が束ねられてできており,そのうちの2本(小顎)の先端部分に独特のギザギザ形状の突起があること,穿刺時に血液を吸引する主要な針である上唇とその左右の小顎の合計3本が,互いに時間的位相差を持って協調動作をしながら穿刺が行われていることを解明した.上唇と,小顎2本の合計3本の針について,それらと同様の形状・寸法を持つ3本の針をマイクロマシニングの技術を用いて工学的に実現した.これらの針を蚊と同様に互いに位相差を持たせて協調動作させ,人工皮膚への穿刺実験を行った結果,穿刺抵抗力が1/3~1/4に低減されることが確認できた.
著者
趙 令家
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 = Journal of the Visualization Society of Japan (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.30, no.116, pp.28-33, 2010-01-01
被引用文献数
5

ポンプの入口流れは吸込水槽の形状に依存する.ポンプを安定した状態で運転するために,吸込水槽内に発生した有害な渦を極力抑えることは,ポンプ設計上又は運転上の重要な課題となっている。本報では、国内外模型試験及びCFDによるポンプ吸込み水槽内の空気吸込み渦と水中渦の可視化について紹介する。TSJ基準による国内の模型試験では,渦発生の有無を目視で判定することが定められていることに対して,HI基準による海外の模型試験では,肉眼で確認できる程度の渦は発生しにくくなるため,染料を用いて渦を可視化する.一方, CFDによる渦の予測が近年多く試みられている.RANSによる定常解析は,現実的な計算コストを踏まえた格子分割数で検討できるため,実績が多い.LESによる非定常解析は実用レベルになりつつあるが、まだ実績が少ない.