著者
藤井 実 中谷 隼 大迫 政浩 森口 祐一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.76, 2009 (Released:2009-09-25)
被引用文献数
1

プラスチックのリサイクル方法はマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収と多様である。リサイクルによって代替される新規資源を設定して評価する従来のLCAによる評価でも、マテリアルリサイクルとエネルギー回収の差であれば、プラスチックの製造エネルギーを含めて代替されるか否かの差異として評価された。しかし、同じマテリアルリサイクルで、水平リサイクルとカスケードリサイクルを比較する際には、これらの差が結果に反映されない場合が多い。近年、使用済みPETボトルなどの廃プラスチックが海外に輸出され、リサイクルされている。国内のリサイクルは、海外でのリサイクルに比べて質の高いリサイクルを行っている場合があるが、これらの差異は従来のLCAでは十分に評価されていない場合が多い。本研究では、カスケードリサイクルとの相対的な水平リサイクルの効果を過不足なく評価する方法を検討する。
著者
五十嵐 政成 亀田 知人 吉岡 敏明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.132, 2009 (Released:2009-09-25)

水素発酵では高基質濃度条件において副産物として水素生成が伴わずに乳酸が多量に生成される.そこで本研究では,乳酸を基質とした水素生成反応の最適条件を求めることで,高基質濃度での水素発酵における水素生成効率の向上を目的として,乳酸を出発原料とした水素発酵について生成効率の向上を目的にpHの影響を検討した.種菌源として東北大学青葉山キャンパス内の土を,基質として乳酸ナトリウムと酢酸ナトリウムを用いた.水素生成量は,初期pHを6として菌体を培養した後にpHを5とした実験で最大となり,乳酸200 mmolから120 mmol生成された.水素生成はプロトン濃度の大きい低pH条件で有利であったが,pH 5未満では生成されなかった.これは乳酸の分解によって生成した有機酸が低pH条件では非解離型として存在し,それらが菌体内に侵入し菌体の活動を阻害したためと考えられる.また,既往の乳酸分解反応に比べ水素生成効率の高い反応の存在を示唆した.
著者
信澤 由之 山谷 修作
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.20, 2009 (Released:2009-09-25)

伊勢市民に対するアンケート調査を通じて、全市的にレジ袋有料化を実施した時に市民がどのような意識を持ち、どのような行動をとるかについて把握することを試みた。調査の結果、次のような知見が得られた。(1)市民は環境貢献のために有料化を受け入れる、(2)現在の価格を高すぎると受け止める市民が3割程度おり、価格インセンティブが強く働く、(3)有料化はマイバッグ持参以外の環境配慮行動も誘発する、(4)有料化のマイバッグ持参効果は他の施策よりも大きい、(5)有料化反対者の多くは辞退時の値引きを希望する、(6)レジ袋の生ごみ用内袋としての利便性が高かったことから、市民はレジ袋に替えて商品としてのポリ袋を購入するとか他の袋で代用するなどさまざまな対応をしている。
著者
沼田 大輔
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.19, 2009 (Released:2009-09-25)

大学生活協同組合(以下、大学生協)の中には、弁当容器の回収にデポジット制度を活用しているところがある。本報告では、長崎大学生協における弁当容器デポジット制度について、具体的な仕組み、デポジット制度においてしばしば問題になる負の影響の状況を、視察および関係者の方々へのインタビュー調査をもとに考察し、次の特徴を見出した。(1)不燃ごみの量を減らせている。(2)システムをシンプルにできている。(3)未返却預り金および売上の観点からもデポジット制度に伴う負の影響を抑えられている。
著者
武田 栄輝 佐藤 理夫
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.123, 2009 (Released:2009-09-25)

バイオマスの利活用は、バイオマス・ニッポン総合戦略の閣議決定により、各地域で注目を浴びている。福島県では、家畜排せつ物の利活用を県内バイオマス利活用推進の重点施策の一つとして進めており、平成21年4月30日現在で同県内7市町村のバイオマスタウン構想書が公表され、いづれにも堆肥化とその利用推進が掲げられている。しかし、畜産廃棄物を取り扱うことから、堆肥化施設では環境負荷の悪臭の主要因となるアンモニアガス発生に留意しなければならない。そこで既にバイオマスタウン構想書を公表している同県大玉村堆肥センターの堆肥化施設の各工程における発酵温度や含水率、アンモニアガス等の測定を行い、アンモニアガス発生量の検証を行った。