著者
中谷 隼 藤井 実 森口 祐一 平尾 雅彦
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.324-333, 2008 (Released:2012-05-26)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

Background and Objective. In recent years, besides the domestics recycling, a part of Japanese post-consumer PET bottles are exported to and recycled in mainland China. In this study, life-cycle assessment was applied to the comparison of PET bottle recycling scenarios, including domestic recycling and transboundary recycling between Japan and China, from the viewpoint of CO2 emission and fossil fuel consumption. Results and Discussion. The following 10 scenarios based on our field surveys were evaluated: Japanese post-consumer PET bottles are (i) recycled into polyester staples in Japan, (ii) recycled into polyester filaments in Japan, (iii) recycled into polyester clothes in Japan, (iv) chemically decomposed and recycled into bottle-grade PET resin in Japan, (v) chemically decomposed and recycled into polyester filaments in Japan, (vi) (vii) recycled into polyester staples in two different flows in China, (viii) recycled into polyester clothes in China, (ix) incinerated and partly recovered as electricity in Japan, and (x) directly landfilled in Japan. The results showed that all the domestic and transboundary recycling scenarios had smaller impacts than the incineration scenario, and that the chemical recycling scenarios had larger impacts than the other recycling scenarios. The robustness of the results was examined against variability of background parameters for electricity supplies and against specification of virgin products substituted by recycled products. Conclusions. The differences of CO2 emissions and fossil fuel consumptions between domestic and transboundary recycling scenarios, other than the chemical recycling scenarios, were not large enough to be robust against the above-mentioned variability. In particular, the variability strongly influenced the results of the scenarios including cloth-manufacturing processes in their system boundaries.
著者
藤井 実 中谷 隼 大迫 政浩 森口 祐一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.76, 2009 (Released:2009-09-25)
被引用文献数
1

プラスチックのリサイクル方法はマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収と多様である。リサイクルによって代替される新規資源を設定して評価する従来のLCAによる評価でも、マテリアルリサイクルとエネルギー回収の差であれば、プラスチックの製造エネルギーを含めて代替されるか否かの差異として評価された。しかし、同じマテリアルリサイクルで、水平リサイクルとカスケードリサイクルを比較する際には、これらの差が結果に反映されない場合が多い。近年、使用済みPETボトルなどの廃プラスチックが海外に輸出され、リサイクルされている。国内のリサイクルは、海外でのリサイクルに比べて質の高いリサイクルを行っている場合があるが、これらの差異は従来のLCAでは十分に評価されていない場合が多い。本研究では、カスケードリサイクルとの相対的な水平リサイクルの効果を過不足なく評価する方法を検討する。
著者
大場 真 戸川 卓哉 藤井 実 安田 肇 中村 省吾 村上 高広
出版者
国立研究開発法人国立環境研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本課題にて設定した以下サブテーマ(1)-(5)について、以下のような研究を実施した。(1)福島県三島町との連携研究を推進し、三島町内の住宅における地域ICTシステムの導入数を10件追加して17件とし、家庭における時間別のエネルギー消費量や太陽光パネルによる発電量等に関する基礎的データを取得した。(2)統合木質バイオマス利用モデルBaIMにおける、木質バイオマスコストにかかるパラメーターの検討を行った。(5)と関連して素材収集範囲や林業機械に対する習熟度などの新しい変数に関する検討を行った。(3)研究分担者らがこれまで開発してきたバイオマスガス化実験施設を拡張し、ガス化に供する原料の水分調整を実施した場合や未利用材の利用がガス化反応挙動に与える影響を明らかにする研究を継続した。(4)これまで開発した地域特性に応じた分散型エネルギーシステム設計プロセスのモデルのフレームワークによって、中山間地域での評価が可能な木質バイオマス資源に関連するシステムの拡張に引き続き着手した。地域ICTシステムで得られたデータも活用し、町内18集落におけるエネルギーの利用状況や望ましい地域エネルギーシステムに関する分析をとりまとめた「集落カルテ」のプロトタイプを検討した。(5)地域の木質バイオマス資源の利用促進が地域の産業連関構造に与える影響を定量的に計測するため、関連する統計資料を収集した。また、町が実施した山形県内を対象とした視察に同行し、木の駅や森林組合等の先進的な事例の現地調査を行った。森林組合には事後調査も実施し、三島町の森林を利活用した地域循環システムの構築に向けた基礎情報を収集した。三島町の産業連関表の精度を高めるとともに、奥会津地域における広域的な木質バイオマス資源の利用促進が地域循環・経済圏へ与える波及効果の検討を行った。
著者
藤井 実 浅井清
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.442-453, 1980-11-15
被引用文献数
10

磁気ディスク 大容量記憶装置(MSS) 磁気テープの3種の記憶媒体を用いた 簡素で効率的なファイル管理システムとその設計に必要な一連の手法を提案する.本論文で筆者らは ユーザ・ファイルについて (1)ファイル連続参照特性 ファイル分布が人間の記憶モデルにおける記憶保存関数で非常に良く近似できることを示し 記憶保存分布密度関数を新しく定義した.これを(3)で利用した.(2)磁気ディスク MSS 磁気テープの損益分岐ラインの一計算方式を示した.(3)ファイル需要を損益分岐ラインによって各記憶媒体に振分けるなど ファイル管理システムにおける最適装置構成を決定する一手法を示した.(4)ファイル管理の階層化 在庫管理を応用した空き領域管理方式 損益分岐ラインを使ったファイル移動制御などを採用した 簡素で実用的 効率的なファイル自動管理の一方式を提案した.
著者
中谷 隼 藤井 実 宮負 健一 平尾 雅彦
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第3回日本LCA学会研究発表会(会場:名古屋大学)
巻号頁・発行日
pp.45, 2007 (Released:2008-02-09)

使用済ペットボトルの国内リサイクルと日中間リサイクルを,温室効果ガス排出量および化石資源消費量の観点から,ライフサイクル評価によって比較した.実態調査に基づいて国内および日中間のリサイクルシナリオを記述し,比較評価において重要な観点を特定した.プロセスの多様性や電力供給の原単位など評価結果に変動性を与えうる要因については感度分析を行い,国内リサイクルと日中間リサイクルの比較結果への影響を考察した.