- 著者
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北田 隆
- 出版者
- 一般社団法人 日本ゴム協会
- 雑誌
- 日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.104-112, 1974-02-15 (Released:2009-10-16)
- 参考文献数
- 3
スポンジゴムのセル構造に, その規則性を仮定することにより, その物理的な挙動の推察を試みた.また仮定したモデルのパラメータを実験によって推定し, スポンジの構造的な要素を知ろうと試みた.まず, そのモデルとしてスポンジのセルを球と考えたが, 実際の計算上ではそれを更に18面体とした.このモデルにおいて, 18面体の中央部に考えた正方形板6枚に, 圧縮荷重が作用した場合, 力方向に平行であるこの正方形板を圧縮すると, 板は四辺を横ぶれすることなく, 力方向にたわんで中央鶴が前後に曲って出てくる.この場合, 力方向に対し板の射影変位が生じる。このような仮定から正方形板の曲げは, 四辺単純支持による薄板の圧縮曲げに関する微分方程式を適用し, これを解いて応力を求めた.そして18面体の要素を採りいれた圧縮応力式を算出した.セル膜厚み等が均一なスポンジでは, 小変位のうちに座屈応力に達してしまうが, 現実のスポンジでは膜厚などの分布が広く存在しており, 弱い膜から座屈していき応力の軌跡が描かれる.