著者
白 柳爛 須田 高史 上田 エジウソン 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.183, 2016 (Released:2016-06-30)

本研究は、樹脂に充填するフィラーに着目し、生活者に製品の長期使用を促すプラスチック材料を開発することを最終目的としている。本報では熱可塑性樹脂であるポリプロピレンと熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂を用いて、これらの樹脂中に複数種類のフィラーを混入することを試みた。フィラーの大きさによって異なる混入方法を使い、サンプルを作製した。作製したサンプルの印象や質感を、被験者を用いた印象評価実現により検討した。これにより、サンプルの質感に対する評価構造とサンプルの特徴が明らかとなった。フィラーの種類を変えるだけでなく、サンプルの研磨やフィラーの表面処理によっても、その印象を大きく変化させられることが確認できた。
著者
池本 浩幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.124, 2016 (Released:2016-06-30)

イノベーション創出に資する人材の育成では,実際の体験で裏づけられた確信を伴う実践知の獲得が重要であり,プロセスや手法の本質を理解した上で,既存の方法にこだわらず,顧客や環境などに応じて柔軟かつ大胆な発想で取り組めるようにすることが大切である.革新性のあるサービス創造をテーマとしたProject based learning型教育の初期段階において,学修者が教育での学びについて自身を顧客と捉えた共感的リサーチを行いチーム内で議論することによって,筆者が指導している教育の一事例ではあるが,学修者がサービスデザインで行う顧客コンテキストの共感的理解の本質や重要性を事前に体得することができることを確認した.また,リサーチ結果をプロジェクトチーム内で共有・議論することによって,個々のプロジェクトメンバの学びに対する考えの背景にある様々な欲求や困りごとを相互に理解し合うことができ,チームビルディングを円滑に進めることができた.この方法がプロジェクトの進行や成果物の革新性にどのように影響したのかについて,教育が終了した時点で学修者に調査を行い,方法を改良していくことが課題である.
著者
福地 悠人 山崎 和彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.39, 2016 (Released:2016-06-30)

近年、技術の発達によって、GPSやカレンダーに登録したスケジュールをもとに、交通情報や天気など、ユーザーの欲しい情報を優先的に表示する「Google Now」のような、利用者のコンテクストに応じて提供する情報を変化せるアプリケーション、サービスが増えつつある。また今後はよりユーザーのコンテクストを入手する手段が増えると考えられているため、今後のアプリケーションやサービスを検討する上でコンテクストの情報をどのようにデザインに活用するかを明確にする必要がある。本研究は利用状況に応じて変化するユーザーインターフェースのデザインアプローチを提案することを目的とする。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.11, 2016 (Released:2016-06-30)

2014年に実施した音楽が時間経過に及ぼす影響を測る実験結果では、静かで緩やかな曲が時間の経過が短くむしろダイナミックでアップテンポの曲の方が長く感じるという結果であった。この実験過程で曲ごとに異なる色彩イメージを連想するという副次的結果を得たため「和音」に着目し,派生する色彩感覚を追加実験によって検証した。追加実験ではC(ド)のmajor,minor,sus4,diminishを代表和音としてデザイン学科学生を対象に聞かせた。色彩トーンや色相の連想イメージを聞くと一定の傾向が見られ,先行研究で報告された色聴保持者と共通する結果が得られた。和音は色彩イメージを誘発し,さらに当該色彩を介して環境デザインで指定された機能イメージと連動させることが理論的に可能となるため,和音が「言語」に替わるサインとして空間に機能するということが示唆された。