著者
佐藤 幹哉 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.4, 2007 (Released:2008-04-28)

2006年、オリオン座流星群の突発出現が観測された。この出現はZHRで50を超え、また極大がおよそ4日間に渡った。母天体である1P/Halley(ハレー彗星)からのダスト・トレイルを計算したところ、-1265年、-1197年、-910年のトレイルが起因していることが判明した。また、これらのダストは、木星と6:1の平均運動共鳴にあることがわかった。
著者
伊藤 孝士 マルホトラ レニュー
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.111, 2007 (Released:2008-04-28)

本発表では近地球天体とりわけ近地球小惑星と惑星・月との衝突確率に関する制限多体数値実験の結果を報告する。近地球小惑星の大半はメインベルトの内側からやって来ると思われており、その具体的な機構は小惑星が強い共鳴帯に注入されることによる地球型惑星軌道へ輸送とされている。そうした天体が月や地球型惑星と衝突する場合の確率、および衝突速度・角度の分布を計算し、サイズ頻度分布の情報を経由して最終的にはクレーター記録との照合を計画している。
著者
石黒 正晃 猿楽 祐樹 上野 宗孝
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.1, 2007 (Released:2008-04-28)

9つの木星族彗星を地上望遠鏡で撮像し、そのチリ雲の輝度分布から質量放出量の推定を行ないました。その結果、これらの彗星は毎秒23kg/sの割合で惑星間空間にチリを供給していることがわかりました。このことから、木星族彗星が惑星間ダストの主要な起源であると推測することができます。更に、放出されるチリの最大径が日心距離に依存しているという傾向も見えてきました。地球軌道付近では最大で約1cmのチリが、0.3AUまで太陽に近づくエンケ彗星の場合、10cm以上のチリが放出されていると推定されます。
著者
古荘 玲子 渡部 潤一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.5, 2007 (Released:2008-04-28)

彗星スペクトルには親分子から光解離した準安定状態酸素O(1S)やO(1D)が遷移する際の禁制線[O I]が観測される。彗星が太陽から1AU付近にある場合、O(1S)やO(1D)の主な親分子はH2Oであるとして、[OI]はH2OのトレーサとしてH2O生成量の推定などに用いられてきた。しかしO(1S)やO(1D)の親分子はH2O以外にもCO2などが考えられ、光解離でO(1S)やO(1D)を生じる分岐比は親分子毎に異なる。これに着目し、地上では観測困難なCO2をH2Oに対する量比として推定する手法を開発した。
著者
藤村 彰夫 矢田 達 加藤 学
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.15, 2007 (Released:2008-04-28)

2007年度末に竣工する我が国の惑星物質試料受け入れ設備は、地球環境による汚染を極力防止して、はやぶさ試料を受け入れ、国内の大学、研究機関と協力して一次記載を行い、保管・管理を行うと共に国内外の大学や研究機関に分配を行う使命を持つ。他に将来のサンプルリターン計画で汚染の無いサンプルを取得するために探査機搭載サンプラの汚染管理についてもその材料を含めた基礎研究を実施する。さらに帰還サンプルによる地球環境への影響についての基礎的研究も行う。この目的を達成するために該当設備の仕様は広範な分野の研究者により決められた。この仕様と現状について報告する。