著者
深海 菊絵
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第44回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.134, 2010 (Released:2010-12-20)

「ポリアモリー(polyamory)」とは、複数の者を同時に「誠実」に愛する恋愛実践、とその実践者たちを指す。本発表の目的は、ポリアモリー実践者たちの葛藤の語りに注目し、偶発的で予測不可能な日常の中で、彼/彼女たちがいかに他者との関係を築いているのか、という問いを探究することである。具体的には、(1)ポリアモリー理念を共有する仲間たちの関係性、(2)ポリアモリー関係にある者同士の関係性、の二方向から検討を試みる。
著者
根本 達
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第44回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.10, 2010 (Released:2010-12-20)

インドのマハラシュトラ州ナーグプール市では、仏教徒たちによる「不可触民」解放運動が行われている。この運動を始めたのは、「不可触民の父」と呼ばれるアンベードカル(1891-1956)であり、1956年、30万人以上とされる「不可触民」とともに、ヒンドゥー教から仏教へ集団改宗した。仏教徒たちは、アンベードカルの死後も解放運動に取り組み、1968年以降は、日本人仏教僧である佐々井秀嶺(1935-)が指導者として活動している。
著者
神本 秀爾
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第44回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.24, 2010 (Released:2010-12-20)

ジャマイカのラスタファリ運動は、エチオピア皇帝ハイレ・セラシエを救世主とする「真のキリスト教」を自称する。運動は同時にアフリカ性の積極的肯定とともにアフリカ大陸への帰還を要求してもいる。本発表は、エチオピア・アフリカ黒人国際会議派ラスタファリアンを対象として、宗派内部において救済とアフリカ性の積極的肯定が「アフリカ回帰主義」「聖書主義」によって正当化される過程を明らかにする。