著者
椹木 哲夫
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第21回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.125, 2005 (Released:2007-05-29)

一般に知的な自律行動主体と環境との相互作用は主体内部の自閉的な内部活動に帰属される.すなわち,振舞いの多様性を規定しているものが,環境から入力のみではなく,システムが内部で造り出している「認識」あるいは「知覚」である点が「自律性」の本質である.本稿では,このような行動主体と環境を結びつけている「知」の本質を,パースの記号論(semiotics)に求め,人間が捉えている主観的世界とその動態を説明づける理論としての可能性について述べる.セミオーシスは,これまで言語学のみならず,さまざまな分野で議論が展開されており,分野横断的な新たな知の枠組みとして見直され始めている.それは生命分野,動物行動学,認知心理学,脳科学,社会学,インタフェース設計,コミュニケーション,ヒューマンコンピュータインタラクション,人間の日常的な活動分析から,芸術・芸能の分野まで多岐に亘るとともに,ロボッティクス分野での身体性・認知ロボティクスや記号接地の問題とも関連を有する.本稿では,セミオーシスで捉える知覚世界の特質について中心にまとめる.
著者
目良 和也 矢野 宏実 市村 匠
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第21回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.6, 2005 (Released:2007-05-29)

現在,インターネット上には多様で膨大な量の情報が存在しており,それらの情報を元に,我々は自分の好みに合わせて購入商品や旅行先などを選定することが出来る.そのための手法としてAHPや多属性効用理論があるが,未知の対象の定性的な属性について評価することは難しい.本研究では,インターネット上から収集した意見に含まれる程度表現と信頼度表現を考慮した形で,属性の度合を求めるための手法を提案する.min-max法では,ある属性値に対して一人の人間が感じる印象を各程度のファジィ集合に対する帰属度で表し,そこから統合値を求めている.本研究ではこの手法を拡張し,複数の人間の意見から統合値を求める手法を提案する.このファジィ集合の帰属度は意見数の比率から求めるが,本手法ではその際に各意見に付随する信頼度表現を各意見の重みとする.信頼度表現の重み,程度表現の分類,文章からの意見情報の抽出には自然言語情報を用いる.
著者
荒井 良徳 佐藤 杏子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第21回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.152, 2005 (Released:2007-05-29)

女性の顔のパーツの色や形状を微妙に変化させる化粧は、見る人の印象を変化させる。本稿ではリップ、アイシャドー、チーク、ノーズシャドウの化粧を対象として、まずこれらの化粧具合を自動的に画像計測できるかを試作システムによって検討した。また「かわいい」「きれい」とされる化粧をし、実際に人間によるどのような印象を与えるかを実験した。結果として、化粧具合の画像計測の可能性が見出された。また実際に人間に与える化粧についていくつかの知見が得られた。
著者
藤井 岳大 徳丸 正孝 村中 徳明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第21回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.147, 2005 (Released:2007-05-29)

服飾やインテリアなどさまざまな製品において,我々がそれらの配色を行う中で全体の調和の取れた配色を行うことは容易ではなく,色彩についての専門的な知識を要求される.本研究では,このような配色の支援をするために色彩調和論をもとに作成されたファジィルールと,メンバーシップ関数を作成し,色彩調和を自動的に判定して配色を作成するシステムを提案する.また,アンケート比較により評価を行う.