著者
伊藤 啓子 山崎 昇 篠原 文陽児
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 13 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.271-274, 1989 (Released:2018-05-16)

CAIシステムは、伝統的な一斉授業の中では必ずしもも十分ではない個別化や個性化指導を具体的に可能にしつつ、かつ、これらに関わる要因を科学的に分析、解明する手段となる。 本研究では、小学校5年81名を対象に、算数科における「分数」単元の中の「異分母分数のたし算」を、一斉授業とCAIシステムを使って学習させ、CAIによる学習は内向的性格の児童に、一斉授業は外向的性格の児童に、それぞれ効果的であることを実験的に明らかにしている。なお、一斉授業が内向的性格の児童に対して適切な援助を必要とする学習形態であること、および、CAIコースウェアの開発にあたっては、学習者の能力、適正、興味などが考慮すべき要因であることを指摘している。