著者
森下 孟 谷塚 光典 東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.105-114, 2018-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
8

教員養成学部生のICT 活用指導力の組織的な向上を図るため,教育実習でICT 活用授業を必ず1回以上行うことによって,教育実習生のICT 活用指導力にどのような効果をもたらすかを考察した.ほぼすべての教育実習生は,児童生徒の興味・関心を高めるために拡大提示装置やコンピュータを用いて教材などを拡大提示し,教育実習でICT を活用した授業を行っていた.また,児童生徒同士による発表や話合い,音声・動画などの資料準備でICT を活用していた.これらの場面に対応したICT 活用指導力が教育実習を通じて向上しており,教育実習でICT 活用授業を必ず1回以上行うことは教員養成学部生のICT 活用指導力の向上に効果があることを明らかにした.
著者
森下 孟 谷塚 光典 東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.145-148, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

教育学部生の情報モラルを指導する力を育成するため,全国の保護者や教員,児童生徒にネット利用の啓発活動を行っている専任講師をゲストに招き,情報モラル教育実施のための実践的な指導法を考える授業を実践した.ゲスト講師による講演は,ネット上の様々なトラブルとその対策を議論することを通じて,学校教員を目指す受講生自らの情報モラルを振り返るきっかけとなり,受講生自身の意識の向上につながった.多くの受講生は,将来子ども達に情報モラルを指導するにあたってゲスト講師の講演が役立つだろうと評価した.そして,情報モラルに関する指導力を向上させ,情報モラルを指導することへの自信を持たせることにつながった.
著者
森下 孟 東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Suppl., pp.181-184, 2008-02-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
11

本研究では,CMSによって管理職が発信する学校Webサイトの特徴を明らかにするために,更新状況と発信された情報の種類を分析した.CMSにより,容易に発信を開始でき,日常的に発信されること,また,管理職が発信することで,児童・生徒の日々の様子,教員・保護者の活躍,管理職の考えが発信されるようになるという特徴が明らかになった.
著者
谷塚 光典 東原 義訓
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.153-156, 2009
被引用文献数
10

本研究では,教員養成初期段階の学生が臨床経験科目における経験についてINTASCスタンダードに基づいて作成したティーチング・ポートフォリオの記述内容を,観点「コミュニケーション」に着目して,テキストマイニングソフトを用いて分析することを通して,教員養成初期段階の学生のリフレクションの特質を明らかにした.また,所属校園による臨床経験の内容の違いから,リフレクションの傾向も異なることが明らかになった.
著者
森下 孟 倉澤岩雄 鈴木彦文 永井一弥 東原義訓
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.48-55, 2016-09-27 (Released:2018-08-27)
参考文献数
15

信州大学教育学部附属学校園の校内ネットワーク環境整備では,①利用対象者別に分けられたネットワークの敷設,②附属学校園間での情報端末の相互利用,③学外の第三者による不正アクセスの防止が技術的な課題となっていた.そこで,①IEEE802.1Qによる論理的な分離,②ホストアドレスの範囲拡張による共有,③認証システムによるアクセス制御を施し,無線LAN環境を構築した.その結果,情報端末による動画の一斉視聴時にデータスループットの低下がみられたため,無線LANアクセスポイントの帯域幅を拡張したが,これ以外の恒常的な利活用のなかで著しいデータスループットの低下や電波干渉などによる無線LAN への接続不良などは発生しておらず,同時かつ安定的にネットワーク運用することを実現している.
著者
森下 孟 東原 義訓
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.73-78, 2014-12-01 (Released:2015-06-01)
被引用文献数
1

タブレット端末を活用した協働学習を初めて受けた学習者は,どのような点で学習活動を「楽しい」と感じるかを明らかにするため,量的・質的研究法を統合し,1つの研究のなかで同時かつ補完的に扱うことを目的としたトライアンギュレーション混合研究法を試みた。その結果,学習者らは「それぞれの学習者の考えを電子黒板上に提示することで自他の考えを可視化し,友達の考えを共有・比較できたこと」「普段使用していないタブレット端末を使用することができたこと」によって「楽しい」と感じていたことが明らかになった。加えて,タブレット端末が持つ様々な機能は,学習者の潜在的な興味・関心を引き付ける可能性を示唆した。
著者
谷塚 光典 東原 義訓 喜多 敏博 戸田 真志 鈴木 克明
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.235-248, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
26
被引用文献数
2

自己評価機能と学生間の相互コメント機能を有する教職eポートフォリオ・システムを開発した.そして,開発した教職eポートフォリオ活用の効果を明らかにするために,教育実習を終えた大学生を対象にアンケート調査を行った.その結果,教育実習生は,教職eポートフォリオを活用して自己評価することを通して,教育実習を客観的に振り返ることができることを感じたり,自己課題を明確にしたりしていた.また,教育実習生間の相互コメントを通して,教育実習を改めて振り返り,教育実習生間で相互コメントすることの意義を実感していることがわかった.そして,教職eポートフォリオの効果について尋ねたところ,自分の受けた教育の振り返り,目指すべき教師像の明確化,自らの資質・力量の現状理解等には効果がある一方で,これからの教職課程の見通しを持つことには寄与していないことが明らかになった.
著者
東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.39-42, 1998-06-13 (Released:2017-11-17)

小・中学校における情報教育、コンピュータ利用教育を推進するための人的環境整備として、メディア・コーディネータの果たす役割が大きく、その成果が注目されつつある。ここでは、長野県内のメディア・コーディネータ(コンピュータ加配教員)の役割とその効果を報告する。
著者
池田 京子 大谷 真 香山 瑞恵 東原 義訓 山下 泰樹 谷塚 光典
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

通常,正しい発声法は,熟達したプロのヴォイストレーナーによる個別訓練によってのみ習得できるとされており,このことが教育現場において,歌唱指導の壁となっていた。そこでこれまで研究代表者らが開発してきた「声の見える化技法」を応用したソフトウェアを開発し,改良を重ねた。また、それを用いた指導法を構築し、附属学校園での「歌唱指導」の授業実践を重ねてきた。これにより,児童・生徒たち自身が自分の声を評価し,友だち同士の相互評価ができ,プロのヴォイストレーナーがいなくても,自分たちが目的を設定することで,主体的な学びに発展させるシステムの端緒を構築した。