著者
疋田 一洋 舞田 健夫 川上 智史 池田 和博 齊藤 正人 田村 誠 小西 ゆみ子 神成 克映 内山 洋一 平井 敏博
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 = Annals of Japan Prosthodontic Society (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.64-70, 2009-01-10
参考文献数
26
被引用文献数
2 2

<B>目的:</B>試作したCAD/CAM用ハイブリッドレジンブロックの臨床的な有効性を評価することを目的とした.<br><B>方法:</B>ハイブリッド型硬質レジンを加圧,加熱重合し,歯科用CAD/CAMシステムの加工用ブロックサイズに成型加工した.患者36名(女性29名,男性7名)の小臼歯43本,大臼歯8本,合計51本に対しハイブリッドレジンブロックから製作したジャケットクラウンを製作し,6ヶ月から12ヶ月後,平均9.6ヶ月における臨床的評価を行った.評価項目は,辺縁適合性,表面性状,咬耗,破折,クラック,着色,プラークの付着,周囲歯肉の炎症,対合歯の咬耗の9項目とした.<br><B>結果:</B>15.7%(8症例)において,咬合面の一部に光沢の消失が認められ,5.9%(3症例)において,クラウン表面の一部に着色が認められた.また,装着後1~3ヶ月で4症例について脱離が認められたが,クラウンのクラックや破折は認められず,再装着を行い,その後は問題なく経過している.他の評価項目については装着時と変化は認められなかった.<br><B>結論:</B>ハイブリッドレジンブロックを材料に歯科用CAD/CAMシステムを用いて製作したジャケットクラウン51本を装着し,平均9.6カ月の予後観察を行ったところ,一部に光沢の消失と着色が認められたが,他には問題はなく,クラウンの材料として有効であることが示唆された.
著者
廣瀬 知二
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 = Annals of Japan Prosthodontic Society (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.272-280, 2013-07-10
参考文献数
50
被引用文献数
1

<b>目的:</b>素材の異なる各種市販ノンクラスプデンチャー材料の特徴を,曲げ特性の面から明らかにする.<br><b>方法:</b>ノンクラスプデンチャー材料(ポリアミド系樹脂:ルシトーンFRS,ポリカーボネート系樹脂:レイニング樹脂,ポリエステル系樹脂:エステショット,アクリル系樹脂:アクリトーン),加熱重合型アクリル樹脂(アクロン)を対象に,成形したままの試験片(乾燥)と30日間水中浸漬試験片(浸漬)の3点曲げ試験を行った.応力-ひずみ曲線を作成し,曲げ強さ,曲げ弾性係数,0.05% 耐力を算出した.得られたデータについて各材料の比較,材料ごとの乾燥と浸漬の比較を行った.<br><b>結果:</b>応力-ひずみ曲線は,アクロンが脆性材料の特徴を示すのに対し,ノンクラスプデンチャー材料はいずれも靱性材料の特徴を示した.曲げ強さはレイニング樹脂を除き,アクロンに比べ有意に小さい値を示した.曲げ弾性係数はいずれのノンクラスプデンチャー材料も,アクロンに比較して有意に小さい値を示した.0.05% 耐力はエステショットが他のノンクラスプデンチャー材料に比較して有意に大きい値を示した.アクリトーンの曲げ強さ,曲げ弾性係数,0.05% 耐力は浸漬が乾燥に比べ有意に小さい値を示した.<br><b>結論:</b>各材料の曲げ特性は素材となる樹脂の性質に基づくことが示唆された.ノンクラスプデンチャーの症例選択,義歯設計には材料の基礎的物性を把握した上での十分な配慮が必要である.
著者
金澤 学
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 = Annals of Japan Prosthodontic Society (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.126-129, 2013-04-10
参考文献数
6
被引用文献数
1

現在の全部床義歯製作法には,臨床・技工操作ともに非常に煩雑で熟練した手技を要する.この問題点を解決するために,われわれはCAD/CAM技術を応用した全部床義歯製作法を考案した.この手法では,改良した旧義歯あるいはパイロットデンチャーをCTによりスキャンし,粘膜面と顎間関係を三次元データとしてPCに取り込む.CADソフトウェア上にて,新しい義歯をデザインした後,顔貌シミュレーションにより新義歯装着時の顔貌の確認を行う.必要があれば,Rapid Prototypingを用いて試適用義歯を作製し,義歯試適を行う.これにより,問題がなければ,マシニングセンタによりアクリルブロックを義歯床形態に切削加工し,人工歯を接着し最終義歯を完成する.
著者
友枝 圭
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 = Annals of Japan Prosthodontic Society (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.436-439, 2013-10-10
参考文献数
4

<b>症例の概要</b>:患者は54歳・女性.上顎左側遊離端欠損部のインプラント治療を希望し紹介来院した.初診時における口腔内診査において,下顎右側臼歯部ブリッジに破折を認めたため,両欠損部においてインプラントによる補綴治療を行った.<br><b>考察</b>:十分なインフォームド・コンセントを行った結果,患者はインプラントによる補綴治療を希望した.今回,インプラントによる補綴治療3年経過後の時点においてインプラント周囲に炎症や異常な骨吸収等の所見はみられず,機能的にも審美的にも良好な口腔環境が維持されていると考えられる.<br><b>結論</b>:本症例では,上下顎の補綴治療にインプラントを応用することで良好な予後を得ることができた.