著者
平井 敏博 石島 勉 越野 寿 池田 和博 小西 洋次 昆 邦彦 広瀬 哲也 金子 寛 雪野 英一郎 家城 信良 植木 和宏 岡部 靖
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.114-122, 1995-02-01
参考文献数
11
被引用文献数
11 2

平成5年7月12日に「北海道南西沖地震」が発生し,長期間にわたる避難生活を送る島民の中には,緊急避難時に義歯を紛失した者が多く,不自由な食生活を余儀なくされていた.本研究は,これら被災者に対する義歯補綴処置を中心とした歯科救援活動から,アンケート調査をもとに,災害時における義歯紛失者への対処や緊急援助食料などに関する歯科的問題点および災害発生時の歯科救援活動のあり方について考察した.さらに,3カ月後の予後調査結果をもとに,その使用状況ならびに咀咽機能の回復程度について検討を加えたものである.
著者
疋田 一洋 舞田 健夫 川上 智史 池田 和博 齊藤 正人 田村 誠 小西 ゆみ子 神成 克映 内山 洋一 平井 敏博
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 = Annals of Japan Prosthodontic Society (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.64-70, 2009-01-10
参考文献数
26
被引用文献数
2 3

<B>目的:</B>試作したCAD/CAM用ハイブリッドレジンブロックの臨床的な有効性を評価することを目的とした.<br><B>方法:</B>ハイブリッド型硬質レジンを加圧,加熱重合し,歯科用CAD/CAMシステムの加工用ブロックサイズに成型加工した.患者36名(女性29名,男性7名)の小臼歯43本,大臼歯8本,合計51本に対しハイブリッドレジンブロックから製作したジャケットクラウンを製作し,6ヶ月から12ヶ月後,平均9.6ヶ月における臨床的評価を行った.評価項目は,辺縁適合性,表面性状,咬耗,破折,クラック,着色,プラークの付着,周囲歯肉の炎症,対合歯の咬耗の9項目とした.<br><B>結果:</B>15.7%(8症例)において,咬合面の一部に光沢の消失が認められ,5.9%(3症例)において,クラウン表面の一部に着色が認められた.また,装着後1~3ヶ月で4症例について脱離が認められたが,クラウンのクラックや破折は認められず,再装着を行い,その後は問題なく経過している.他の評価項目については装着時と変化は認められなかった.<br><B>結論:</B>ハイブリッドレジンブロックを材料に歯科用CAD/CAMシステムを用いて製作したジャケットクラウン51本を装着し,平均9.6カ月の予後観察を行ったところ,一部に光沢の消失と着色が認められたが,他には問題はなく,クラウンの材料として有効であることが示唆された.
著者
佐々木 健 池田 和博
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29-35, 2014-07-22 (Released:2014-08-15)
参考文献数
10

歯科訪問診療において,歯科医師が認知症患者対応に際し直面する課題や問題点を把握する調査を行った。北海道歯科医師会員から歯科医師 760 人を抽出(抽出率約25%)し調査対象とした。質問紙を用い,平成 22 年 1 月における歯科訪問診療実施の有無,歯科訪問診療対象患者に占める認知症患者の割合,他の医療・介護分野との連携状況,認知症患者への対応に際し直面する課題や問題点等などについてデータ収集した。同月に歯科訪問診療を実施した者のみを分析対象者とした。 分析対象者が実施した歯科訪問診療の対象患者の約 40%は認知症であった。 他の医療・介護分野との連携は,介護事業所・施設との間が 33〜35%,ケアマネジャーとの間が 16%であり,十分とは言いがたかった。 直面する課題や問題点については,「義歯関係の治療の場合,認知症のない方と比べかみ合わせの調整が難しい」75.3%,「言語によるコミュニケーションが難しい」70.0 %,「認知症を考慮した上で,療養上の指導を行うことが難しい」62.4%など,いずれの項目も頻度が高かった。 大半の歯科医師は認知症患者に手探りあるいは試行錯誤しながら対応しているものと推察され,歯科医療従事者向けに何らかの研修システムの導入が望ましいと考えられた。
著者
平井 敏博 安斎 隆 金田 洌 又井 直也 田中 收 池田 和博 内田 達郎
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.1261-1267, 1988-12-01
被引用文献数
51 35

The purpose of this study is to evaluate the masticatory function of the complete denture wearers by examining the foods patients can eat with the dentures. A qustionnaire with listings of 35 foods was given to 39 patients who have been wearing newly made denture for 6 months and were asked to select the answer out of the following 5 categories. [figure] 1. Each answer was given a score (2, 1, 0). 35 foods were classified into 5 grades showing the difficulty by each total scores. 2. The "standard masticatory ability of complete denture wearers" was established as the diagnostic criteria by calculating the rate of food-taking ability in each grade. 3. Masticatory ability of each individual was shown as the "masticatory score". 4. Applying this qustionnaire to the alveoplasty case, the rate of food-taking ability and the masticatory score were correlated with masticatory ability and it was suggested that the qustioutnaire was useful for the evaluation of the masticatory function.