著者
原 知子 加藤 美香
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.101, 2002 (Released:2003-04-02)

天ぷら衣に重曹やしょうが汁を添加することによって軽い衣に揚げあがることはよく知られているが、「酢」を添加した場合の影響については記述は少ない。そこで、身近な調味料である米酢を用いて、天ぷら衣に添加してみたところ、重曹と同様に、官能評価において「さくさく度」「軽さ」の向上が認められた。ただし、米酢の場合には添加量が粉の1/6(酢容量ml/粉重量g)程度でも酢自体の味が衣に反映されてくる。衣の生地の状態については、酢を添加することによって、衣の「流れやすさ」が有意に大きくなり、その結果、揚げ種に衣をつける際にも薄くつきやすいというメリットがあると考えられた。
著者
川嶋 かほる 櫻井 朝美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.61, 2002 (Released:2003-04-02)

食べ物は生物に由来し、他者の「いのち」によって、自らの生命維持をはかることが「食べる」ことである。しかし、食物生産の場から遠く離れ、飽食の時代といわれる現在、食べ物と「いのち」の関係はどのように意識されているかを、調査紙法によって調べた。食べ物に「いのち」があると考える人は76.4%であった。「いのち」を持っていると感じているのは、魚介類が最も高く80%以上を占め、畜肉類は約70%、鶏卵55%、野菜類は35%であった。「いのち」が失われると考える段階は、「切った時」「収穫した時」が多く、「料理した時」「食べた時」は少なかった。「いただきます、ごちそうさま」は79.8%の人がしているが、その対象は「食事を作ってくれた人」へが57.5%、「食べ物そのもの」は24.8%であった。
著者
嶋田 淑子 飯島 久美子 小西 史子 香西 みどり 畑江 敬子 齋藤 利則
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.43, 2002 (Released:2003-04-02)

食品用脱水シートでから揚げの揚げだねを前処理することによる、揚げだねのおいしさと揚げ油の劣化に及ぼす影響について検討した。揚げだねとして鯖と鶏肉を用い、脱水シートで1.5時間包んだ後、180℃の油で3分間揚げて試料とした。対照として脱水シート処理をしないものを用い、それぞれ15回連続して揚げ作業を行った。試料と対照を組み合わせ、官能検査を行なった結果、脱水シートを使用したから揚げは対照より有意に好ましいとされた。揚げ油の劣化を、酸価(A.V.), アニシジン価(An.V.), 色差ΔEで評価した。さし油をして連続してから揚げをした場合, 脱水シート処理した揚げだねを揚げた油の方が、A.V., An.V., 色差ΔE, いずれも低く抑えられ脱水シート処理によって揚げ油の劣化が抑えられたといえる。
著者
青木 三恵子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.56, 2002 (Released:2003-04-02)

昨今では食生活の外部化や個食化·簡便化などにより、味の認識が平坦になり、食行動も「食べる」ことは単に「食品や栄養を摂取する」ことであり、摂取栄養により人体そのものをも操作できるかのような感覚さえ見受けられる。こうした状況においては、味·味わい·おいしさは、教育の対象としていかなければならないのではないかと、教育法について試行した。「食べること」「おいしさ」を広い視野で捉えるために、「食べている情景」を細かく、かつ広い視野で画用紙に描写させ、同時に言葉による描写を行った。また、情景を描く時、学生同士で質問をして見落としている部分に気づくようにした。絵に描く作業により、食べる·おいしさを味わうことには多くのファクターが関与していることに気づいた。
著者
中村 喜代美 新澤 祥恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成14年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.49, 2002 (Released:2003-04-02)

今日の食生活の変化のなかでの郷土食の位置づけを考えるため、アンケート調査により石川県の郷土料理の調理実態を検討した。調理状況では調理しているが多いのは、なすのオランダ煮、なすのそうめんかけで、少ないものは鯛の唐蒸し、鮒の甘露煮であった。また、以前は調理していたが、今は作らないというものが多いのは押しずし、えびすが、調理したことはないが、食べたことがあるでは蕪ずしがあげられた。調理法の情報源では、どの料理も母親が上位を占めているが、一部、家庭外からの情報によるものが過半数を超えるものもあった。調理しない理由として、家族が好まないからが多い料理には太きゅうりのあんかけやつる豆の煮つけがあげられ、市販調理品の利用が多い料理には蕪ずしなどがあげられた。