著者
洲見 光男
出版者
明治大学法科大学院
雑誌
明治大学法科大学院論集
巻号頁・発行日
no.2, pp.83-102, 2007-03

アメリカ合衆国(連邦)憲法修正4条(1)は,前段で「不合理な(unreasonable)捜索・押収(身体拘束)」を禁止し(以下,「合理性条項」という),後段で,令状は「相当な理由(probable cause)」に基づいて発せられる必要があること,および,捜索場所・押収目的物(身体拘束対象者)が特定されていることなど令状の発付要件を規定している(以下,「令状条項」という)。「不合理な」捜索・押収とは何か,それに対しどのような保護が与えられるのかについては,解釈に委ねられている。①「ルールに基礎を置く(rule-based)」アプローチは,修正4条が令状主義を採用したものと解し,令状によらない捜索・押収は,令状主義の例外にあたる場合を除いて,不合理であるとする。