- 著者
-
伊藤 康裕
山本 明美
高橋 英俊
橋本 喜夫
飯塚 一
- 雑誌
- 皮膚科の臨床 (ISSN:00181404)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.3, pp.477-479, 2000-03
- 被引用文献数
-
2
出版社版症例は67歳女性で,シェーグレン症候群と慢性関節リウマチの既往歴があり,プレドニゾロン 8.75mg/日の内服中である.3日前に左前腕に中心臍窩を有する水疱の発現に気付き,水疱は左大腿,背部にも多発してきたが疼痛や帯状疱疹を思わせる皮疹の配列はなかった.組織学的には表皮内水疱で,網状変性,球状変性を認めた.水痘・帯状疱疹ウイルス抗体価はIgG 102.0と高値を示し,IgMは経過を通じて陰性であったため水痘の再感染と診断した.外来で経過をみたが,2週間後にも水疱の新生が続くため入院となり,アシクロビル 500mg/日の点滴投与を7日間行ったところ水疱の新生は止まったが,殆どは黒色痂皮を伴い潰瘍化した.アシクロビル中止3日後には背部に小水疱が再出現し,四肢にも拡大した.水痘の再燃と考えアシクロビル 500mg/日7日間点滴投与後に4000mg/日7日間内服投与により小水疱は色素沈着を残して治癒した