著者
野中 大輔 脇田 哲郎
出版者
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)
雑誌
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka Graduate School of Education Division of Professional Practice in Education (ISSN:21860351)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.101-108, 2022-03-22

本研究は、学級担任の学級活動(1)に関する実践的指導力向上に寄与する教員研修の在り方を究明することを目指し、学級会デジタルコンテンツを活用した教員研修を実施し、効果を検証した。研究では、実践的指導力を自己評価する質問紙として学級会セルフチェックシートを開発した。その開発過程では、質問紙のデジタル化や探索的因子分析を実施し、教員研修において学級会デジタルコンテンツがより効果的に活用できるようにした。公立小学校2校で教員研修を実施した結果、参加者の研修満足度が高く、学級会デジタルコンテンツについても好意的な意見が多く見られた。また、教員研修後に約半年のコンテンツ視聴期間を設けたのち、再度実施した実践的指導力の調査では「自治性マネジメント」因子が有意に向上していた。このことから、本研究で実施した教員研修の効果が示唆されたものと考察した。
著者
坂井 清隆
出版者
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)
雑誌
福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka Graduate School of Education Division of Professional Practice in Education (ISSN:21860351)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.73-84, 2021

本小論は,今次改訂の理念を教育実践レベルで具体化を目指す教育方法について検討を行うことを目的とする。具体的には,教育実践研究において通常使われる PDCA サイクルに対して,近年ビジネス界で注目されている「OODAループ」の教育実践への適用可能性を追求するものである。 本研究では,教育実践にOODAループ取り入れた場合,「ビジョンの設定」と「動機付け・育成」,そして「意思決定」という3つの機能が同時並行的に駆動することによって,教師の単元展開における実践的力量を高めていることがうかがえた。ビジョンの設定には,「どんな成果(outcome)を出すか」という方針を固め,学習者をどのように日々の教育実践に生かすかといった意思決定の具体や,単元展開に対して洞察力や構想力をもち,その教師・その学習者ならでは学習内容を創り出す意識の芽生えを詳細に捉えることの重要性を見出すことができた。