著者
石井 照久 小野寺 藍 ISHII Teruhisa ONODERA Ai
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = Bulletin of the Center for Educational Research and Practice, Faculty of Education and Human Studies, Akita University (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57-72, 2018-02-28

小学校,中学校,高等学校には,校歌が存在し,校歌の中には生き物の名前が唄われていることが多い.本研究では,校歌に登場する生き物に着目し,それを生物教育に活用することを提案する.校歌に登場する生き物を実際の教育に活用している例はあるものの,なかなか公表されておらず,先行研究としてとりあげることは難しい.そこで,本研究では,秋田県の中学校校歌を例として,校歌にどのような生き物が登場しているかを示し,さらに公にされていない活用例を示すことを目的とした.さらに活用されていない生き物を使った教材開発を試みた.校歌は児童生徒にとって愛着のあるものである.本研究をきっかけに,生物教育において,校歌に登場する生き物がもっと利活用されることを期待したい.Every school from elementary to high has its own school song. In many cases, the school song contains a name of living thing in its words. We propose to apply these living things in biological education. In this paper, some educational practices applying living things, which were contained in junior high school songs in Akita Prefecture, are introduced. Moreover, two educational materials using a living thing in a junior high school song are developed. We expect that the application of living things in school songs will be increased in biological education.
著者
柴田 健 SHIBATA Ken
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = Bulletin of the Center for Educational Research and Practice, Faculty of Education and Human Studies, Akita University (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
no.38, pp.203-212, 2016-03

スクールカウンセラーの学校教育への浸透に伴い,学校教育の「心理主義化」が問題となっている.2011年3 月に発生した東日本大震災に伴い,秋田県は多数の被災転校生を受け入れることとなり,これをきっかけに急激な「心理主義化」が進んだ.被災転校生には「心の傷」があるという言説が流布し,学校に緊急スクールカウンセラーが導入され,被災転校生のカウンセリングや教員へのコンサルテーションが行われることとなった.筆者は緊急スクールカウンセラーの一人として,教員へのコンサルテーションを中心に活動した.コンサルテーションを行うに当たっては,「心の傷」言説に与することなく,転校生受け入れの際に教員が行った活動や工夫を明らかにするというインタビュアーの役割を取った.本稿では,3 つのコンサルテーション活動について報告し,社会構成主義的心理療法の観点から考察を行った. With the introduction of the school counselorto school education, "psychologism in schooleducation" has become a problem. As a result ofthe Great East Japan Earthquake that occurred inMarch 2011, Akita Prefecture has accepted a largenumber of transfer students from the disasterareas. Along with this, Sudden "psychologism"has progressed. A discourse that transferstudents have" psychological trauma" was spread,emergency school counselor is introduced into theschool, and counseling for the transfer studentsand consultation for the teachers were carriedout. As one of the emergency school counselor, Idecided to center activities counseling for teachers.In carrying out the consultation, I did not adoptthe "psychological trauma" discourse, took therole of the interviewer that clarified the activitiesand ideas that teachers have made at the timeof transfer student acceptance. In this paper, Ireported the consultation 3 activities, and discussedfrom the point of view of social constructionismpsychotherapy.
著者
松本 奈緒 MATSUMOTO Naho
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = Bulletin of the Center for Educational Research and Practice, Faculty of Education and Human Studies, Akita University (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
no.38, pp.59-66, 2016-03

本研究の目的は創作ダンスの熟練教師指導映像に対する大学院生の認知について明らかにすることである.研究対象者は3 名の大学院生であり,既に中学校,高等学校の保健体育教諭と小学校教諭の免許を持っているが学部でのダンス経験はない者であった.30分の長さの指導映像2 種を観察後,対象者は気づいた点を自由記述し,KJ法にてまとめた.本研究によって,熟練者のダンス指導の映像を見ることにより,大学院生は明確な目標の提示,教材の工夫,様々な学習者への関わり方等の教育学的に成功裏の授業構造について,また,表現につながる手段,多様な動き,認め合い評価等のダンスの特性に合った具体的な方法の2 つの側面で気づくことが確認できた.従って,それまでのダンス経験がほとんどない受講者であっても,熟練者のダンス指導に触れることによってダンスの指導の工夫や教材,場の設定,学習過程,声かけ等様々な事項が学習できたことが明らかとなった.