著者
石井 照久 菊池 友希子 立花 希一 望月 一枝
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教養基礎教育研究年報 (ISSN:13449311)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.47-54, 2012-03-26
被引用文献数
3

日本語原作のマンガや文芸作品などでは.登場人物の性別が明かされずに物語が進み,途中で,性別が明かされることがある。この手法は,読み手の想像をかきたて物語を面白くする効果がある。それではそういった日本語原作のマンガや文芸作品が他の言語に翻訳された場合はどうなるのだろうか?英語や独語では,主語を省略することがほとんど不可能であるし性別が明白な代名詞を用いる。そこで本研究では,登場人物の本当の性別を伏せて物語が進む日本語作品が英語や独語に翻訳された場合に,どのように表現されたり,工夫されたりしているのかを解析した。その結果,日本語原作の直訳に近い翻訳例,逆に原作に忠実でない意訳された翻訳例が見出された。さらに原作よりも早く性別を明かしてしまっている翻訳例も見つかった。これらの翻訳は,翻訳者が日本人かどうかによって異なるようであった。本報告は,秋田大学教養基礎教育科目「総合ゼミ」の講座C「文化にみられる性」において、平成23年度I期の授業で展開された成果報告でもある。
著者
石井 照久 菅原 麻有
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.125-133, 2010-05-31

平成の大合併に伴い秋田県では69あった市町村が25になった。各市町村は平成の大合併以前から独自にシンボル生物(木、花、鳥、魚、昆虫など)を制定していることが多かった。本研究では、シンボル生物が平成の大合併に伴いどのように変遷されていったのか、またシンボル生物がどのように教育に利用されてきたのか(利用されているのか)を明らかにすることを目的とした。 秋田県に69あった市町村のうち、なんらかのシンボル生物を制定していたのは上小阿仁村と旧角館町を除く67市町村であった。そして合併の前後で変更がなかった秋田県内10市町村(上小阿仁村を含む)のシンボル生物にはもちろん変更がなかった。合併の形態には新設合併と編入合併がある。秋田県で新設された市町村のうち、シンボル生物をまだ制定していないのは3市1町(能代市、三種町、横手市、湯沢市)であった。また編入合併の場合では、廃止された自治体が制定していたシンボル生物は消滅し、編入先の自治体が制定していたシンボル生物がそのまま残っていた。 シンボル生物の教育現場への利用について秋田県の小中高の学校教員にアンケートを行ったところ、シンボル生物自体があまり意識されておらず、教育にシンボル生物を活用しているケースは少なかった。一方、教育現場ではないが、各地域のシンボル生物が自治体の章、デザインマンホール、カントリーサインなどに描写されていたり、地域の情報ブログなどでシンボル生物の名称が使用されていたりと地域にシンボル生物が密着しているケースもみられた。
著者
石井 照久 保坂 学 佐藤 宏紀 三浦 益子
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
no.34, pp.145-156, 2012-05

中学校理科の生物分野と高校生物において,教師が指導上難しさを感じることのある単元や箇所を抽出し,指導を困難にしている原因を明らかにするととともに改善策を検討した.抽出された事項は,(1)教科書の記載に関するもの,(2)色に関するもの,(3)実験の技術に関するもの,(4)教授法に関するもの,に大別された.そのうち(1)には,教師の指導を困難にしているだけでなく,生徒の理解を混乱させるものも含まれていた.それぞれの改善策を検討した結果,教師側の教材研究・実験技術の向上,などにより改善できる場合もあったが,教科書出版会社に改善を依頼したほうがいい場合もあった.また,容易には解決できない事項もあった.本報告は,秋田大学大学院教育学研究科の教科教育専攻理科教育専修の授業科目「生物学研究II」において,平成23年度前期の授業で展開された成果報告でもある.
著者
石井 照久 小野寺 藍 ISHII Teruhisa ONODERA Ai
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = Bulletin of the Center for Educational Research and Practice, Faculty of Education and Human Studies, Akita University (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57-72, 2018-02-28

小学校,中学校,高等学校には,校歌が存在し,校歌の中には生き物の名前が唄われていることが多い.本研究では,校歌に登場する生き物に着目し,それを生物教育に活用することを提案する.校歌に登場する生き物を実際の教育に活用している例はあるものの,なかなか公表されておらず,先行研究としてとりあげることは難しい.そこで,本研究では,秋田県の中学校校歌を例として,校歌にどのような生き物が登場しているかを示し,さらに公にされていない活用例を示すことを目的とした.さらに活用されていない生き物を使った教材開発を試みた.校歌は児童生徒にとって愛着のあるものである.本研究をきっかけに,生物教育において,校歌に登場する生き物がもっと利活用されることを期待したい.Every school from elementary to high has its own school song. In many cases, the school song contains a name of living thing in its words. We propose to apply these living things in biological education. In this paper, some educational practices applying living things, which were contained in junior high school songs in Akita Prefecture, are introduced. Moreover, two educational materials using a living thing in a junior high school song are developed. We expect that the application of living things in school songs will be increased in biological education.
著者
石井 照久 川邉 聡子 今野 大樹 松本 勇紀 目黒 耕平 立花 希一 望月 一枝 ISHII Teruhisa KAWABE Satoko KONNO Hiroki MATSUMOTO Yuuki MEGURO Kouhei TACHIBANA Kiichi MOCHIZUKI Kazue
出版者
秋田大学教育推進総合センター
雑誌
秋田大学教養基礎教育研究年報 (ISSN:13449311)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-12, 2011-03-31

我々の身近に存在する「マンガ」を秋田大学生がどのように読んでいるのかをアンケート調査した。その結果,男子学生はほとんど少女マンガを読まないが,女子学生のほとんどが少年マンガを読んでいることが判明した。すなわちマンガ文化の接し方にジェンエンダーが存在することが判明した。その要因を考察するとともに,男子学生・女子学生それぞれに好かれているマンガの特徴色作品を解析することによって明らかにした。本報告は,秋田大学教養基礎教育科目「総合ゼミ」の講座EI文化にみられる性」において,平成22年度I期の授業で展開された成果報告でもある。
著者
石井 照久 大澤 佳奈 羽田 麻里子 ISHII Teruhisa OOSAWA Kana HADA Mariko
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学自然科学 (ISSN:13485296)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.113-120, 2014-03-31

From Lake Hachiro in Akita Prefecture, one compound hydra, Cordylophora japonica, was reported in 1976 (Toriumi, 1976). On the other hand, Ishii has been seeing solitary hydras in Lake Hachiro since 1996, however, he had not investigated those hydras. In this report, two species of freshwater solitary hydras have been described. In this report, taxonomy of Hydras in Japan is based on the reports by Ito (1947a-d). Hydra magnipapillata and Hydra japonica collected from Lake Hachiro in 2011-2012 had been firstly reported of living in Akita Prefecture.
著者
石井 照久 井田 秀奈美 ISHII Teruhisa IDA Honami
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学 (ISSN:24334952)
巻号頁・発行日
no.75, pp.7-15, 2020-03-01

In research field, the systematics of angiosperm is changing from new Engler system which is mainly based on morphology of plant to APG III・IV system which is mainly based on DNA sequences. Illustrated books published most recently and that on the website almost are based on APG III・IV system. We found new Engler system still in the textbooks and the guideline for education in a junior high school. In such circumstances, junior high school student doubt which system is true. In this paper, new educational subjects based on APG III・IV system are also proposed, in which includes observation of the coplate (key feature) in angiosperm. 被子植物の分類は,形態に基づく従来の新エングラー体系から,DNA の塩基配列に基づくAPGIII・IV 体系へと移行しつつあり,最新の図鑑やインターネット図鑑は後者に準拠している。 本研究で中学校理科の教科書における植物に関する記載を調べた結果,依然,新エングラー体系に基づいて記載されていることが判明した。また,中学校理科の指導内容も新エングラー体系に沿っていた。このような現状では,中学生が新しい分類体系に触れると混乱が起こる可能性が高いと考え,本研究ではAPGIII・IV 体系に基づいた新規の授業も開発した。開発した新規授業は,APGIII・IV 体系の被子植物の分類で,要となっている花粉の溝の観察を行うことが特徴である。
著者
石井 照久 菊池 友希子 立花 希一 望月 一枝 ISHII Teruhisa KIKUCHI Yukiko TACHIBANA Kiichi MOCHIZUKI Kazue
出版者
秋田大学教育推進総合センター
雑誌
秋田大学教養基礎教育研究年報 (ISSN:13449311)
巻号頁・発行日
no.14, pp.47-54, 2012-03-26

日本語原作のマンガや文芸作品などでは.登場人物の性別が明かされずに物語が進み,途中で,性別が明かされることがある。この手法は,読み手の想像をかきたて物語を面白くする効果がある。それではそういった日本語原作のマンガや文芸作品が他の言語に翻訳された場合はどうなるのだろうか?英語や独語では,主語を省略することがほとんど不可能であるし性別が明白な代名詞を用いる。そこで本研究では,登場人物の本当の性別を伏せて物語が進む日本語作品が英語や独語に翻訳された場合に,どのように表現されたり,工夫されたりしているのかを解析した。その結果,日本語原作の直訳に近い翻訳例,逆に原作に忠実でない意訳された翻訳例が見出された。さらに原作よりも早く性別を明かしてしまっている翻訳例も見つかった。これらの翻訳は,翻訳者が日本人かどうかによって異なるようであった。本報告は,秋田大学教養基礎教育科目「総合ゼミ」の講座C「文化にみられる性」において、平成23年度I期の授業で展開された成果報告でもある。
著者
石井照久 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1944