著者
吉村 浩一
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-5, 2011-05

研究成果の概要 (和文) : 左右逆さめがねを2週間着用した女性が、正常視のときの生活と同じようなスタイルを獲得するという、きわめて知覚順応の進んだ状態を示した。これにより、逆さめがねの世界に順応することがどのような変化を引き起こすかを捉えることができた。この研究成果を踏まえ、子どもたちに人間の知覚の不思議さを体験してもらい、逆さめがねを通してものを見たり行動したりする際に起こることを予想し実際に体験することにより、その予想がどのように間違っているかを論理的に考えてもらうための科学イベントを構築した。
著者
仕幸 英治
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-6, 2009-05-19

環境資源問題の観点から有機分子材料を用いたスピントロニクスが非常に注目されている。本研究では有機分子材料とスピン注入源である強磁性体との界面状態を制御しやすい平面型構造素子を用い、強磁性体/有機分子/強磁性体接合の磁気抵抗効果を測定し、分子材料のスピン依存伝導特性を評価した。その結果、Ni_<80>Fe_<20>/Mq_3(M = Al, Ga)/Ni_<80>Fe_<20> 接合から、Ni_<80>Fe_<20> 電極の局所的な磁化状態に起因する磁気抵抗効果の観測に成功した。
著者
田村 俊作 三輪 眞木子 池谷 のぞみ 齋藤 泰則 越塚 美加 河西 由美子 齋藤 誠一
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
2011 (Released:2012-00-00)

研究種目 : 基盤研究(B)研究期間 : 2008~2011課題番号 : 20300087研究分野 : 総合領域科研費の分科・細目 : 情報学・図書館情報学・人文社会情報学 公共図書館の課題対応型サービスが定着するための条件を明確にすることを目的に各種調査を行い、以下の点を明らかにした。①サービスは複合的であり、重点の置き方は図書館により異なる。②図書館員はサービスの多様性を容認している一方、業務負担の増大に対して根強い抵抗がある。③従って、課題対応型のサービスに対する図書館員の理解と参加、および必要な技能の獲得が鍵となる。④また、関連組織との協働型の連携がサービス展開に効果的である。
著者
島津 明
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-5, 2012-05-31

法令工学は,安心安全な社会の実現に向け,法令や規則のシステム的側面を扱う方法論を研究する新しい学問分野である.法令工学の言語面の研究として,本研究は,国民年金法を主な対象に,法令構造の分析・モデル化,注釈コーパスの作成,法令構造の解析法,条文の論理表現への変換法,法令の矛盾検出法,可読性の高い法令文記述などに関する研究を行い,複数文条項の要件効果構造のモデル化,解析法,条項の構造的書き換えなどについて成果を得た. : Legal Engineering is a new field that studies a methodology to treat a systematic aspect of laws and rules. This research took up mainly a national pension law as an example law which regulates a social system and conducted various studies on analyses and models of legal structures, annotated corpora, analysis methods of legal structures, transformation methods into logical representation from law sentences, methods for detecting contradiction in laws, description of law sentences with high readability and so on. Based on such studies, we made annotated corpora and obtained a model of requisite and effectuation structures of a law paragraph consisting of multiple sentences, methods for analyzing structures and a structural paraphrasing model of a law paragraph.
著者
小林 孝一
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2011-06-10

本研究課題では,ハイブリッドシステムの制御における計算の効率化に取り組んだ.成果として,有限オートマトンの安定化に基づくモデル予測制御手法,およびオフライン計算とオンライン計算の両方を用いた精度保証付き近似解法を提案した.また,数値実験により計算の効率化が実現されたことを確認した.さらに応用として,ブーリアンネットワークモデルで表現される遺伝子ネットワークの解析と制御にも取り組んだ. : In this research, fast computation algorithms for hybrid systems control have been addressed. As important results, a stabilizing model predictive control method using stabilization of finite automata, and an approximate algorithm using both offline and online computations have been proposed. In addition, the effectiveness of the proposed methods has been shown by numerical examples. Furthermore, analysis and control of gene regulatory networks has been addressed using Boolean network models.
著者
緒方 和博
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-5, 2009-04-10

証明支援系とモデル検査器を効果的に利用できるよう、定理証明向きのシステム仕様をモデル検査向きのシステム仕様に自動変換する方法を考案した。変換により、モデル検査向きのシステム仕様が大きくなりすぎて効果的にモデル検査ができなくなることを防ぐための工夫を行った。提案した変換方法の有効性を確認するため、電子商取引プロトコルiKPとMondexの検証実験に適用した。また、変換を支援する変換ツールの拡張性の高い実装方法も提案した。この実装方法では、複数の変換規則をモジュラーに組み入れることを可能にする。
著者
石原 哉
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-5, 2010-05-29

本研究は、構成的逆数学のための形式体系の調査・提案・評価・改良を目的として行われた。型概念に基づいた体系、および集合概念に基づいた体系、それぞれに対して様々な原理(例えば、連続性原理)、および位相空間・一様空間の定理を対象に調査を行った。その結果、集合概念に基づいた体系としては、構成的集合論(CZF)およびその部分体系が、有力な候補であることが分かった。また、型概念に基づいた体系としては、単調完備定理を詳細に分析することにより、構成的解析体系(EL)の部分体系を構成的逆数学のための形式体系として提案した。 : The project aimed at research, proposal, evaluation, and improvement of formal systems for constructive reverse mathematics. Formal systems based on the notion of a type, and formal systems based on the notion of a set were examined by case studies on principles (such as a continuity principle), and theorems in topological and uniform spaces, respectively. It appeared that the constructive set theory (CZF) and its subsystems, as formal systems based on the notion of a set, work well for our purpose. By carefully examining the monotone completeness theorem, we proposed a subsystem of elementary analysis (EL) as a formal system based on the notion of a type.