著者
日下 純子
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.18, pp.185-192, 2010

本研究では,リハビリテーションとは障害があっても高齢になっても『その人らしく,いつまでも,楽しく生き生きできることを目指して取り組むこと』という滋賀県立リハビリテーションセンターの定義と昨今,教育や医療の現場で注目を浴びているポートフォリオをリンクした。自分の大切なものや自分史をファイルする過程で作成者の変化を「時間的展望体験尺度」を用い測定した。安価で簡単にできるポートフォリオが,ささやかであるが効果を認めたので報告する。
著者
山内 高太郎
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.99-107, 2003

国際会計基準審議会は、組織改革とともに会計基準の収斂(convergence)をキーワードとした。各国における会計基準の収斂の問題を考える場合、金融商品プロジェクトは重要な意味をもち、その動向が今後の収斂に影響を与えると考える。金融商品プロジェクト問題の根底にあるのは、公正価値の導入であり、金融商品プロジェクトについて、公正価値測定と収斂という2点から考察を行った。
著者
立脇 一美
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.16, pp.177-196, 2008

介護福祉士を目指す学生は,年々減少している。今回,短期大学系の介護福祉士養成校の在学生を対象に,介護福祉に興味を抱き始めた契機から,養成校受験に至るまでの意識形成過程の分析を行った。その結果,「個人の生育歴や生活歴といった外的環境因子」と「個人の有する職業観」といった二つの要因が折り重なり,意識が形成されていくことがわかった。前者には,個人の生まれ育った家庭環境や,中学や高等学校で学び得た福祉に関する知識・体験,保護者の職業意識,進路を意識した時代背景などが含有され,意識形成の基礎要因となっていた。後者では,介護職に対し「やりがい」を追及し,他者の役に立ちたいという動機が検出できた。学生は,社会的雑念に翻弄されることなく,純粋に自分らしく生きる一つの手段として,養成校を受験する意識を形成していくことが明確となった。
著者
上松 健治
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.139-151, 2006

「人権の世紀」と言われる21世紀に入って, 人権教育や啓発活動, 法整備などが積極的に推進されている。しかしその一方で, 弱肉強食や拝金の世相が一層強まるとともに, 親子の殺傷事件や凶悪犯罪は増加の一途をたどり, 人間の生命が軽んじられる風潮が急速に広がってきている。国際的にも, 大国による搾取・略奪が合理化, 正当化される一方で, 途上国では多くの人々が飢餓や環境破壊で苦しみ続けている。このような現状認識にたって, 近代西欧に源をもつ現代の人権思想を批判的に検証し, 生きとし生けるものへの「尊厳としての人権」「自然との共生の人権」の意義について, 人格の陶冶に光を当てて論じる。
著者
富川 拓 炭谷 将史 多胡 陽介
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.255-270, 2007

本稿では地域の高齢グラウンドゴルフプレーヤーに対しライフストーリー・インタビューを実施し,「運動・スポーツ」「健康」「地域」と関連する語りからその生活世界の一部を明らかにした。また地域での運動会やゴルフ・グラウンドゴルフの活動を通した社会的ネットワークの構築や,競技に打ち込む高齢者の実態が確認された。