著者
星 英司
出版者
財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
若手研究(S)
巻号頁・発行日
2007

神経解剖学的研究は、前頭葉と大脳基底核、そして、前頭葉と小脳が形成するネットワーク構造を細胞レベルの精度で明らかにした。神経生理学的研究は、随意運動課題を遂行している動物の脳の各部位から記録されたニューロン活動を比較することによって、各々の特異的な機能(機能分散)とその関連性(機能連関)の実態を明らかにした。こうした結果を総合することにより、随意運動の発現における前頭葉、大脳基底核、小脳の役割について、分散と連関という観点から新しい理解をもたらした。
著者
小林 仁
出版者
財団法人大阪市博物館協会
雑誌
若手研究(S)
巻号頁・発行日
2007

隋唐時代の俑に関して紀年墓を中心とした出土資料の調査、撮影を実施し、豊富なデータを蓄積しながら各時代各地域の俑の特質について考察を行った。それらの資料を基に、美術史的観点から隋唐時代の俑の様式変遷と地域性の解明を行い、従来注目されることの少なかった地域の様相を明らかにするなど多くの成果を得た。さらに、陶磁史的視点から制作技法や製品の流通の問題などを明らかにし、俑研究の新たな可能性を提供することができた。
著者
山口 茂弘
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(S)
巻号頁・発行日
2007

有機エレクトロニクス分野の発展を担う鍵材料の創出を目指し,優れた光・電子物性をもつ新奇π電子系分子の開発に取り組んだ.典型元素に特徴を生かした分子設計,新反応の開発,分子配向制御を機軸に取り組み,新奇な骨格をもつ一連のπ電子系分子の合成を達成した.高効率固体発光,白色発光,高電荷移動度などの標的物性を実現するとともに,安定ホウ素材料や反芳香族性π電子系の設計指針などの新たな分子設計指針を確立した.
著者
小林 研介
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(S)
巻号頁・発行日
2007

独自に開発した高感度電流雑音測定系を用いることによって、電子干渉計、量子ドット、量子細線というエンタングルメント生成と検出の舞台となる半導体ナノ構造における量子雑音測定を行った。その結果、量子系におけるゆらぎの定理の初の検証実験や、核スピン偏極集団の生成などの成果を得た。本研究によって、高精度の電流雑音測定がエンタングルメント検出および非平衡輸送現象のプローブとして必須であることが確立した。