著者
能口 盾彦
出版者
同志社大学
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.[65]-84, 2009-08

論文(Article)『ウェールズ・オペラ』とその改訂版『グラブ街オペラ』はフィールディングの初期劇作品で、ロンドン演劇界で十八世紀末まで幕間に演奏された『ロースト・ビーフ讃歌』は、改訂版の第三幕第三場の歌曲である。いずれもウェールズが舞台で、地主一家と召使達が織り成す諷刺を主眼とする喜歌劇と言えよう。市井の下級牧師とは異なる、アプシンケン家付きの牧師に論者が着目したのも、ハノウヴァー王朝ジョージ二世夫妻と時の宰相ウォルポールとの緊密な関係が示唆された為である。特に『グラブ街オペラ』が公演禁止の憂き目を見たのは、 同劇で英国国教会と王室と政界の微妙な関係が、巧妙かつ洒脱にこき下ろされたことで、当局の逆鱗に触れた為であろう。
著者
滝沢 正彦
出版者
一橋大学
雑誌
言語文化 (ISSN:04352947)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.49-67, 1976-03-10

論文タイプ||論説
著者
鈴木 潔
出版者
同志社大学
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.279-296, 2007-12

E・T・A・ホフマンの『アウトマーテ』という小説は、17、18世紀にヨーロッパで多く作られたからくり人形を題材にした作品である。物語の発端に「喋るトルコ人」という人形がでてきて、この人形に伺いを立てるとお告げをする謎をめぐってストーリーが展開する。人形が人間の運命を透視する謎を二人の若者が追及してゆくが、その過程で当時の様々な自動人形、自動楽器が取り上げられる。二人の推理は人形制作者の何らかの手立てで、未知の世界を覗く霊視者が人形を通じて謎の交信を送っているのではないか、というように進み、物語は、当時これもまた世間の注目を浴びていた動物磁気(催眠術)による魂と魂との不思議な触れ合い、精神の交感というテーマに進んでいく。

1 0 0 0 IR 小説の言葉

著者
古井 由吉
出版者
同志社大学
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.555-574, 2008-03

ロゴスという観点から、日本近代口語文小説の発生と展開を一作家として考える。