- 著者
-
蓑輪 雅好
- 出版者
- The Society of Agricultural Structures, Japan
- 雑誌
- 農業施設 (ISSN:03888517)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.3, pp.137-149, 1998-12-25 (Released:2011-09-05)
- 参考文献数
- 10
周囲物体に対する豚体の形態係数を豚体形状に基づいて解明するために, 肥育中期に相当する体重が65kgである豚の立位におけるサーフィスモデル (8838個の三角形パッチで構成した3次元多面体グラフィックスモデル) を用い, 矩形面に対する65kg豚の形態係数を数値計算で求めた。形態係数計算値の百分率誤差は約1%以下であることが, 形態係数総和則と誤差伝播法則から推定できた。豚体の側面, 正面, 背面および天井面に位置する矩形面 (側面壁, 正面壁, 背面壁, 天井面) に対する65kg豚の形態係数算定図を, 豚体中心 (豚体の全長, 最大幅, 最大高さそれぞれの中点) から矩形面までの距離と矩形面の大きさをパラメータとして提示した。同様に, 豚の蹄部底面が接触している矩形面 (床面) と蹄部底面よりも下方に位置する矩形面 (ケージ式豚舎における豚舎床面) に対する形態係数算定図を提示した。同一場所に位置する同一大の矩形面に対する27kg豚の形態係数と65kg豚の形態係数との大小関係および差異の大きさは, 矩形面が位置する壁面, 天井面, 床面の種類や豚体中心から矩形面までの距離で異なった。また, 両者の差異は最大で約10%であった。