著者
下橋 淳子 寺田 和子 Atsuko SHIMOHASHI TERADA Kazuko
出版者
駒沢女子短期大学
雑誌
駒沢女子短期大学研究紀要 (ISSN:02884844)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.31-38, 1997-03-03

ハーブ5種類、ビタミンEやカロチンを多く含む食品4種類、褐変に関わる物質3種類およびβ-カロチンをハイリノール型サフラワー油に添加して60℃における抗酸化効果を調べた。さらに、効果の大きかった添加物については、35℃で油 : 酢=2 : 1の試料に対する抗酸化効果を調べた。比較のために合成抗酸化剤BHT添加試料と天然ビタミンE強化ハイリノール型サフラワー油についても並行してPOVを測定し、次の結果を得た。1. 60℃において、0.5%ローズマリー添加試料は、0.1%BHT添加試料を凌ぐ抗酸化効果を示し145時間後のPOVはコントロールの52%だった。2. 60℃において、0.5%セージ添加試料は、ローズマリーに次ぐ抗酸化効果を示したが、0.5%オレガノ・タイム・バジル添加試料は、20時間程度しか抗酸化効果を示さなかった。3. 60℃において、0.5%青じそ添加試料にはある程度の抗酸化効果が認められたが0.5%緑茶・パセリ・青のり添加試料には抗酸化効果がほとんど認められなかった。4. 60℃において、0.1%没食子酸添加試料にはある程度の抗酸化効果が認められたが、0.1%クロロゲン酸・カテキン添加試料には抗酸化効果が認められず酸化促進的な作用をする物質の存在が示唆された。5. 60℃において、0.1%β-カロチン添加試料の145時間後のPOVは、コントロールの85%であった。6. 60℃において、天然ビタミンE強化ハイリノール型サフラワー油は、20時間後のPOVがコントロールの39%であったが、その後の抗酸化効果の低下は、著しかった。7. 35℃において、ハイリノール型サフラワー油に2 : 1の割合で穀物酢を加えると油のみの場合よりPOVが上昇し、添加物の抗酸化効果が低下した。8. 35℃で穀物酢を加えた試料に対しても、0.5%ローズマリー添加試料は0.1%BHT添加試料を凌ぎ最も安定して抗酸化効果が高く、13日目のPOVはコントロールの36%であった。9. 35℃では、青じそは酸化促進的に作用し、0.5%添加試料より1.0%添加試料の方がPOVが高かった。10. 35℃で穀物酢を加えた試料に対し. 0.1%β-カロチン添加試料は、2~3日間はPOVがコントロールの21~27%で高い抗酸化効果を示したが、その後の抗酸化効果の低下は、著しかった。11. 35℃で穀物酢を加えた天然ビタミンE強化ハイリノール型サフラワー油は、7日間はPOVがコントロールの14~20%で高い抗酸化効果を示したがその後は抗酸化効果が低下した。
著者
千葉 公慈 Koji CHIBA
出版者
駒沢女子短期大学
雑誌
駒沢女子短期大学研究紀要 (ISSN:02884844)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.十一-二十七, 2003-03-03
著者
高橋 淑子 野垣 芳恵 寺田 和子
出版者
駒沢女子大学
雑誌
駒沢女子短期大学研究紀要 (ISSN:02884844)
巻号頁・発行日
no.32, pp.37-42, 1999-03

ゲル化剤として寒天、ゼラチン、カラギーナンおよびペクチンを用い、水分および栄養分の補給に考慮した嚥下障害者のためのゼリーを試作し、ゲル化剤と副材料の組み合せによるテクスチャーの違いについて検討した。また、市販の12種の食品についてテクスチャーを測定し、次の結果を得た。(1) 硬さは、ゼラチンゼリーが低値を示し、ペクチンゼリーが高値を示した。(2) 凝集性と弾力性はゼラチンゼリーが、寒天、カラギーナンおよびペクチンゼリーより高値を示した。また、副材料による差は見られなかった。(3) 付着性はゲル化剤および副材料により差が見られた。ゼラチンゼリーは副材料が液状 (コーヒー、抹茶およびりんご果汁) のものは低値を示し、ペースト状 (フルーツヨーグルト、かぼちゃおよびスイートポテト) のものは高値を示した。(4) 水分含量は、副材料が液状のゼリーは90.7~84.1 (%)、ペースト状のゼリーは87.8~81.6 (%) であった。(5) 高野豆腐、食パン、卵焼きおよびはんぺんの硬さは試作ゼリーと比べると著しく高値を示した。(6) 絹豆腐、ごま豆腐、プリンおよび茶碗蒸しの硬さ、凝集性および付着性は、試作ゼリーと類似していた。