著者
宮崎 康
出版者
医学書院
雑誌
JIM (ISSN:0917138X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.191, 2010-03-15

ある日の外来に,「右の横腹が痛む」といって28歳の女性が来た.1週前に同じ訴えで近医を受診し,尿と血液検査,腹部エコーを行ったが異常ない.「胃炎」の診断で胃薬をもらったが一向によくならず,ちょっと咳をするだけで痛みが強くなるという.看護師の介助を得ながら,眼・頸部から胸背部の診察を行う.帯状疱疹を示唆する皮疹はない.仰臥位になって膝を立ててもらい,腹部全体を掌全体で触診すると,臍の下に鈍い痛みを訴える.右上腹部を打診すると,痛みで顔をしかめる.さらに第2から5指の腹で柔らかく押さえながら,「指を持ち上げるように」深く息を吸ってもらうと,やはり顔をしかめる.体温は36.5℃.「いきなり聞きますが,おりものはないですか?」「ええ,1カ月前頃に多くて,下腹も痛むので婦人科に行こうと思っていましたが,よくなったので….」
著者
山中和明
雑誌
JIM
巻号頁・発行日
vol.15, pp.797-799, 2005
被引用文献数
1
著者
和足 孝之 稲田 遥 松本 謙太郎 志水 太郎 北川 泉 徳田 安春
出版者
医学書院
雑誌
JIM (ISSN:0917138X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.166-167, 2014-02-15

「誤診」に着目した国際学会 われわれは2011,12年と引き続き,2013年9月23~25日に米国シカゴのNorthwestern Universityで催されたDiagnostic Error in Medicine(DEM)の第6回International Conferenceに参加した.本総会は,臨床現場におけるdiagnostic error(誤診)をいかにして減らすかに着目し,自分が経験した診断エラーやリスクマネジメントの紹介や,今後の解決策の模索などについて,各発表やシンポジウムでも例年活発な議論が行われている. 今回,筆者らは本学会でメインとなるM and Mカンファレンスで,“Is it a Cold or Not ? That is the problem.”というタイトルで40分間の口演発表をする機会を得た.症例は36歳女性.発熱,咽頭痛,鼻水,倦怠感を主訴に救急受診し,感冒の診断で帰宅となるも2日後にDICによる脳出血で救急搬送されたケースである.最終診断は急性前骨髄性白血病であった.この症例の論点として,感冒と診断する際のピットフォールやさまざまなバイアス,また診断時の直感的診断と分析的診断の使い分けについて考察をまとめて発表した.Cook County HospitalのKaren Cosby医師(Rush大学准教授)がModerator,San Francisco VA Medical CenterのGurpreet Dhaliwal 医師(UCSF准教授)が“Professor” Discussantとして診断推論のコメントを加え,会場も交えての活発な意見交換が行われた.
著者
中川 紘明 宮田 靖志
出版者
医学書院
雑誌
JIM (ISSN:0917138X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.902-903, 2014-10-15

Case 患者:12歳の男児. 現病歴:突然,左の胸が痛くなり,不安そうな母親に連れられて受診した.痛みは突き刺すような痛みで,左前胸部に指1本で指せる範囲に限局しており,深呼吸を2回したら1分もせずに突然消失したという.心音・呼吸音・筋骨格・皮膚は異常なし.胸部単純X線写真,心電図は異常なし. 診断:若年者に突然発症した限局性の胸痛で,1分以内に突然軽快し,身体所見,検査で異常がないことからprecordial catch syndromeと診断した.
著者
熊井 司
出版者
医学書院
雑誌
JIM (ISSN:0917138X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.944-949, 2004-11-01

この稿では,足のX線写真として外来診療で最も一般的に用いられる撮影方法とその対象疾患について紹介し,中・後足部病変にとくに有用となるCT断層撮影についても簡単に述べることにする.