著者
宮川 峻 宍戸 晃基 山中 太 田中 穣 北川 泉 齋藤 滋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.12, pp.2539-2546, 2019-12-10 (Released:2020-12-10)
参考文献数
6

約1年前に経カテーテル的大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)の施行歴がある83歳,男性.発熱を主訴に来院し,心エコー検査にて,大動脈人工弁に付着する疣贅が認められ,血液培養検査結果より,Listeria monocytogenesを起因菌とする人工弁感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)と診断された.感染経路として消化管の可能性も疑い,臨床病期II期の進行大腸癌の診断も得た.Listeria monocytogenesを起因菌とするIEの場合には,消化管悪性腫瘍の存在を念頭に置く必要がある.
著者
和足 孝之 稲田 遥 松本 謙太郎 志水 太郎 北川 泉 徳田 安春
出版者
医学書院
雑誌
JIM (ISSN:0917138X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.166-167, 2014-02-15

「誤診」に着目した国際学会 われわれは2011,12年と引き続き,2013年9月23~25日に米国シカゴのNorthwestern Universityで催されたDiagnostic Error in Medicine(DEM)の第6回International Conferenceに参加した.本総会は,臨床現場におけるdiagnostic error(誤診)をいかにして減らすかに着目し,自分が経験した診断エラーやリスクマネジメントの紹介や,今後の解決策の模索などについて,各発表やシンポジウムでも例年活発な議論が行われている. 今回,筆者らは本学会でメインとなるM and Mカンファレンスで,“Is it a Cold or Not ? That is the problem.”というタイトルで40分間の口演発表をする機会を得た.症例は36歳女性.発熱,咽頭痛,鼻水,倦怠感を主訴に救急受診し,感冒の診断で帰宅となるも2日後にDICによる脳出血で救急搬送されたケースである.最終診断は急性前骨髄性白血病であった.この症例の論点として,感冒と診断する際のピットフォールやさまざまなバイアス,また診断時の直感的診断と分析的診断の使い分けについて考察をまとめて発表した.Cook County HospitalのKaren Cosby医師(Rush大学准教授)がModerator,San Francisco VA Medical CenterのGurpreet Dhaliwal 医師(UCSF准教授)が“Professor” Discussantとして診断推論のコメントを加え,会場も交えての活発な意見交換が行われた.
著者
永田 恵十郎 渡辺 晴基 井口 隆史 平塚 貴彦 北川 泉 岩谷 三四郎 猪股 趣
出版者
島根大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

63年度に行った主な研究作業は, 過去3ヵ年の研究の総括とそのために必要な補足調査である. 研究の総括は毎月1〜2回の頻度で開催した研究会の場で行った. 研究会では, それぞれの分担者が担当課題についての研究結果を報告し, それをめぐって全研究分担者が討論し, 率直な批判検討を積重ねるという方式で進めた. また補足調査は, 自然減社会の実態構造, 減返強化米価引下げによる地代負担力の減少とそのことによる借地返還多発の実態構造等の把握に力を注いだ.以上を通じて, 3ヵ年の研究成果を『過疎山村の再生』というテーマで世に問うことを決定し, 63年度の研究成果公開促進費の交付申請を行った. もっとも, 『過疎山村の再生』というテーマは, すぐれて具体的, 現実的課題をふくんでいるだけでなく, 理論的にも掘下げなければならない課題も多々ある. そこで, 上記研究会には地元の各機関, 団体の関係者の参加も求め, 具体的, 現実的な課題への認識を深めることにした. なお, 共同研究者以外の研究会参加者は延25名(県庁農林水産部, 農林漁業金融公庫松江支店等)であった. さらに, 63年12月にはたまたま来松の機会のあった和田照雄(東京大学), 森田学(京都大学), 陣内義人(鹿児島大学)の3教授にも研究会への参加を要請し, われわれの理論フレーム(仮設)についてコメントを頂いた.