著者
宮田 靖志
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.124-132, 2014 (Released:2014-06-27)
参考文献数
31
被引用文献数
2 2

臨床実践の現場には不確実性・複雑性が溢れており, 特にプライマリ・ケア医は診療の現場で日常的にこれらに遭遇する. 不確実性・複雑性への対処はプライマリ・ケア医に求められる特徴的な能力のひとつであり, プロフェッショナリズムの要素のひとつにも挙げられる. 不確実性・複雑性への対処は貴重な学習機会であり, 自己の成長につながる. クネビン・フレームワーク, 意思決定を共有する患者との良好なコミュニケーションにより, 不確実性・複雑性に対応するのが有用である.
著者
宮田 靖志
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
pp.2021-044, (Released:2022-04-12)
参考文献数
29

プロフェッショナリズム教育には,アンプロフェッショナルな行為をしないという最低限の目標と,常に高みを目指すという向上心的目標の2つの学修目標を見据える必要がある.向上心的目標のためには,規範に基づいた教育からナラティブに基づいた教育への視点の転換が重要であり,これにはロールモデル,自己の気づき(省察),ナラティブ能力,コミュニティ・サービスが挙げられる.学修者には,これらにより,実際の臨床経験を通じて患者・住民・社会の期待を実感することが求められ,このことがプロフェッショナルとしてのアイデンティティ形成につながる.また,社会のニーズに応えるという社会的説明責任を学んでいくことにもつながる.そして,個人・対人・社会レベルにおけるプロフェッショナリズムを考え,複雑で混沌とした医療状況の中で悪戦苦闘しながら課題解決に当たる省察的実践家である真のプロフェッショナルを養成することを,医療専門職教育者は考える必要がある.
著者
宮田 靖志
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 = Medical education (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.13-19, 2013-02-25

1)全国の医学生が製薬企業との接触行動をどの程度経験しているかを2012年に調査した.<br>2)全体で5,431名から回答が得られ,内訳は4年生1,755名,5年生2,222名,6年生1,454名であった.臨床実習前と後の学生数はそれぞれ,1,755名–0名,853名–1,369名,53名–1,401名であった.<br>3)文房具授受,製品説明パンフレット授受,製品説明会への出席,弁当飲食は,実習前20–37%,実習後95%以上の医学生が経験していた.懇親会への出席,タクシーチケットの授受は,実習前約10%,実習後約60%が経験しており,食事会・宴席への出席は,実習前約8%,実習後約40%が経験していた.<br>4)多くの医学生が製薬企業との接触行動を経験しており,その頻度は臨床実習参加後に有意に増加していた.
著者
宮田 靖志
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.2021-044, 2023 (Released:2023-02-03)
参考文献数
29

プロフェッショナリズム教育には,アンプロフェッショナルな行為をしないという最低限の目標と,常に高みを目指すという向上心的目標の2つの学修目標を見据える必要がある.向上心的目標のためには,規範に基づいた教育からナラティブに基づいた教育への視点の転換が重要であり,これにはロールモデル,自己の気づき(省察),ナラティブ能力,コミュニティ・サービスが挙げられる.学修者には,これらにより,実際の臨床経験を通じて患者・住民・社会の期待を実感することが求められ,このことがプロフェッショナルとしてのアイデンティティ形成につながる.また,社会のニーズに応えるという社会的説明責任を学んでいくことにもつながる.そして,個人・対人・社会レベルにおけるプロフェッショナリズムを考え,複雑で混沌とした医療状況の中で悪戦苦闘しながら課題解決に当たる省察的実践家である真のプロフェッショナルを養成することを,医療専門職教育者は考える必要がある.
著者
宮田 靖志 岡野 良 倉富 雄四郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.1093-1098, 1997-10-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18

症例は51歳女性. 約30年前にシリコンによる豊胸術を受けた. 以後, 両乳腺外側および腋窩リンパ節腫張を自覚していたが, 2年前よりリンパ節腫大が増大し, さらに, 数ヵ月前より手指腫張, 朝のこわばり, Raynaud 徴候, 労作時呼吸困難が出現した. 四肢近位筋の対称性筋力低下, 口唇生検, 筋生検, 唾液腺造影所見, 筋原性筋電図変化, 筋逸脱酵素の上昇などより多発筋炎とシェーグレン症候群の overlap 症候群と診断された. 胸部X線・CTにて胸膜下優位の二次小葉間質陰影の肥厚, 肺野濃度の上昇, 下葉容積の減少が, また, TBLBにて炎症細胞浸潤を伴う胞隔肥厚と線維化が認められ, 間質性肺炎の合併と考えられた. 本例は, シリコンリンパ節炎の増強と膠原病症状および間質性肺炎の発症に強い臨床的関連が推測され, ヒトアジュバント病が強く疑われた. 本症に伴う間質性肺炎の報告は少なく, 文献的考察を加え報告した.
著者
宮田 靖志
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.331-335, 2021-08-25 (Released:2022-01-23)
参考文献数
10

アンプロフェッショナルな行動への対処には, 同定 (定義), 予防, 発見, 評価, 是正, 経過観察の各段階があると思われる. アンプロフェッショナルな行為とは何か. それをどう回避するか. それをどう発見するか. その行為はどうして生じたか, どういう影響を及ぼしたか. アンプロフェッショナルな学習者・医療者の行為をどのようにして是正するか. その行為者・行為はその後どうなっているか. アンプロフェショナルな行動への対処は複雑である. また, アンプロフェッショナルな行動への対処の具体的事例を共有する機会は少なく, 対応のノウハウを共有することが困難である. このため, 時に教育者はアンプロフェッショナルな事例への対応で疲弊することさえある. アンプロフェッショナルな行動への対応を少しずつでも共有していくことは非常に有意義なことである.
著者
宮田 靖志
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 = Medical education (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.95-104, 2009-04-25
被引用文献数
5
著者
若林 崇雄 宮田 靖志 山上 実紀 山本 和利
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 = An official journal of the Japan Primary Care Association (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.360-367, 2010-12-15
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

【目的】<br> 内科医撤退を経験した基幹病院を利用する患者・住民が, 医師・医療についてどのような想いを抱いているのかを明らかにする. <br>【方法】<br> 一時内科医が撤退し, 現在は診療を再開しているA市の基幹病院を利用する患者・住民を対象とした. <br>1. 質問紙作成<br>2回のフォーカス・グループ・インタビューをもとにテーマとサブテーマを抽出する質的な手法により質問項目を作成した. <br>2. 質問紙調査<br> A市基幹病院を利用する患者を対象とした. <br>【結果】<br> 有効回答は399名. 内科医師撤退の原因として, 81%の患者が大学, 79%が国の制度, また72%が病院と回答した. 内科医師が撤退したことは医師の身勝手かどうかについては50%ずつに意見が分かれた. また74%の患者は内科医師撤退が患者に不信感を与えたと回答した. 88%の患者は医師が患者に尽くしていると回答し, 88%が勤務条件で病院を移ることは仕方ないと回答したが, 96%の患者は医師に患者のために尽くすことを求めていた. 85%の患者は医師を信頼できると考えていた. <br>【結論】<br> 医師撤退を経験した患者は撤退により現実的に困っており, これは患者の利便性が損なわれるため当然と考えた. また撤退の原因として医療に関する組織に対し不信感を持っていることが示唆された一方で, 医師個人に対しての感情は複雑であった. 多数の患者は医師を聖職と考え, 医師撤退を経て尚, 医師の人間性やコミュニケーションへ期待し信頼していると考えられたが, 医師をサービス業と捉える患者も見られ, 信頼の構造に変化がある可能性も示唆された.
著者
宮田 靖志
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.126-132, 2015-04-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
33

これまで様々な議論が重ねられてきたが, プロフェッショナリズムの定義は定まっていない. 定義の詳細な議論に終始することは妥当ではなく, プロフェッショナリズムは患者・社会からの信頼を得るためのものであるという基本的な概念を理解して, 実際に教育実践を行っていくことを優先すべきである. 実際の教育に際して重要なことは, 状況依存的なプロフェッショナリズムを考えること, 個人だけではなく社会との関係にも焦点を当てること, 専門家個人と専門職集団の両方の属性を考慮することである. 行動のリスト, コンピテンシーを挙げるような規範に基づく教育に重点を置くのではなく, 省察を中心に据えた教育を行い, プロフェッショナリズム教育がひいてはプロフェッショナル・アイデンティティ形成につながるようにすべきである.
著者
中川 紘明 宮田 靖志
出版者
医学書院
雑誌
JIM (ISSN:0917138X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.902-903, 2014-10-15

Case 患者:12歳の男児. 現病歴:突然,左の胸が痛くなり,不安そうな母親に連れられて受診した.痛みは突き刺すような痛みで,左前胸部に指1本で指せる範囲に限局しており,深呼吸を2回したら1分もせずに突然消失したという.心音・呼吸音・筋骨格・皮膚は異常なし.胸部単純X線写真,心電図は異常なし. 診断:若年者に突然発症した限局性の胸痛で,1分以内に突然軽快し,身体所見,検査で異常がないことからprecordial catch syndromeと診断した.
著者
宮田 靖志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.466-474, 2014-02-10 (Released:2015-02-10)
参考文献数
22
被引用文献数
1