著者
片田 範子 舟島 なをみ 鈴木 千衣 筒井 真優美 及川 郁子 常葉 恵子 平林 優子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

本研究は、現在の小児看護の実態を把握し、入院する小児に必要な看護ケアシステムを将来に向けて考察する目的で3年間に渡り行われた。1.混合病棟でケアされている小児の実態と質問紙の作成(平成2年度)東京近郊の病院の混合病棟での小児看護を質的に参加観察法や聞き取り調査を用いて検討し、その結果を踏まえて質問紙の作成を行った。2.小児の入院状況と看護婦の援助の必要性の質問紙調査(平成3年度)質問紙調査は、全国300床以上の総合病院から回答を得られた434病院で、小児専門病棟および成人との混合病棟の双方に入院している子どもを持つ親、看護婦(病棟婦長、看護部長を含む)、混合病棟の成人患者を対象に行われた。平成3年度に調査を実施し、平成4年にかけて分析を行った。分析結果は多岐に渡って得られ、平成4年には学会発表を行った。母親と看護婦の期待することのずれや、付き添っている者の疲労などの問題が存在し、これからの看護に望まれることが浮き彫りになった。また、小児をケアする看護婦の多くが、親との関りかた、成長発達に沿った援助、精神的支援などの領域で相談する人が欲しいと思っていた。3.小児リエゾンの導入と評価(平成4年度)「個々の小児の成長発達に合った看護の実践上の問題を中心に、小児を看護する看護婦に小児リエゾン的かかわりを持ちその評価を行う」ことを今回の導入の目的とし、平成4年には協力の得られた4病院で小児を看護している看護婦32名を対象にリエゾン・コンサルテーションを行った。来談の理由の主なものは「患児の生活や精神面の看護」、「小児看護をする自分について」、「家族の看護」についてと、事前調査と同様の結果であった。継続的にリエゾンシステムを活用し、看護婦が自分達の行っていることを定期的に見直し、解決の糸口を日常とは異なった面から検討する機会をもつことの意義が示された。

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こんな研究ありました:小児看護ケアの実態と小児看護リエゾンシステムの開発(片田 範子) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/02454504
こんな研究ありました:小児看護ケアの実態と小児看護リエゾンシステムの開発(片田 範子) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/02454504

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