著者
松坂 尚典 佐藤 至 西村 義一 志賀 瓏郎 小林 晴男 品川 邦汎
出版者
岩手大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

実験動物(マウス及びラット)に放射性亜鉛(Zn-65)及び放射性マンガン(Mn-54)を投与して、胎子、胎盤、胎膜における両核種の取り込みを追跡した。さらに、妊娠末期のラットに両核種を投与したのち分娩させ、在胎中に胎盤を経て胎子に移行した両核種の量と、生後に新生子が母乳を介してもらい受けた量を調べた。1.妊娠17日のマウスにZn-65及びMn-54を1回静脈内投与したのち、24時間目における胎子の取り込み量を調べたところ、それぞれ1腹あたりで36%及び9%となった。すなわち、マウス胎子におけるZn-65の取り込みは、Mn-54のそれよりも約4倍ほど多くなることが観察された。2.妊娠0日、7日、14日のマウスに両核種を1回皮下に同時投与して、分娩直後の新生子における取り込みを調べた。分娩直後の新生子におけるZn-65の取り込み量は、妊娠0日、7日、14日群で、それぞれ1腹あたりの値が11%、12%及び28%となり、妊娠初期に投与された場合よりも妊娠後半に投与された場合の方が、胎盤を経て在胎中に取り込まれた量が多くなった。Mn-54でもほぼ同様の傾向が認められたが、分娩直後の新生子における取り込み量は、Zn-65に比べて1/3から1/4となった。3.妊娠末期のラットにZn-65を1回投与したのち分娩させ、分娩直後の新生子における取り込み量を測定した。そののち、同日に分娩したZn-65無投与ラットの新生子と一部交換して哺乳させた。分娩直後の新生子には投与量の3%(1腹あたりでは約30%)が取り込まれており、さらに離乳するまでには母乳を介して1.5%(1復あたりでは約15%)が移行した。Mn-54についても、ほぼ同様の傾向が認められた。これらの結果から、Zn-65及びMn-54に関しては、胎児への経胎磐移行とともに、母乳を介する汚染経路が重要であると考えられる。

言及状況

Twitter (5 users, 7 posts, 1 favorites)

マンガン #x線 #被曝 #胎内被曝  https://t.co/aY41XVDsK7
その辺りの資料を貼っておきますね。 https://t.co/fwZ90DXiEg https://t.co/tUjsdRewfw https://t.co/Ixuifu1nWt https://t.co/CI4wdXzkqY
@PriamalFear 実験動物におけるZn-65及びMn-54の胎盤移送と乳汁分泌に関する研究 http://t.co/fe6z8SspyK

収集済み URL リスト