著者
矢崎 義雄 栗原 裕基 小室 一成 湯尾 明 山崎 力 塩島 一朗 本田 浩章
出版者
国立国際医療センター(研究所)
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
1997

心臓の発生に必須な転写因子Csxは、成人においても心臓に発現しており、その成人心における役割が注目されている。我々は、Csxの成人心における役割を知るために、Csxを過剰発現するトランスジェニックマウス(Csx Tg)とホメオドメインのロイシンをプロリンに変えドミナントネガティブとして働くCsx(LP)を過剰発現するトランスジェニックマウス(Csx LP Tg)を作成した。成熟Csx Tgの心臓においては心臓特異的な遺伝子であるANP、ミオシン軽鎖、CARPなどの発現が亢進しており、Csxが出生後の心臓においても心臓特異的遺伝子の発現に関与していることが示唆された。一方Csx LP Tg心は組織学的に心筋の変性を示していた。以上のことより、Csxは成人心において心臓に発現している遺伝子の発現を調節していると同時に、心筋細胞の保護に働いており、Csxの機能が低下することにより、心筋障害が生じることが示唆された。本研究によって、エンドセリン-1(et-1)によるG蛋白を介したシグナルが、神経堤細胞から血管平滑筋への分化機構に、bHLH型核転写因子であるdHAND,eHAND、ホメオボックス遺伝子Goosecoidの発現誘導を介して関与していることが明らかになった。その発現部位から、ET-1は上皮-間葉相互作用を介して働いていると考えられる。さらに、CATCH22の原因遺伝子の候補遺伝子として同定されている細胞内ユビキチン化関連蛋白UFD1Lとの間に、「ET-1→ET-A受容体→dHAND→UFD1」というシグナル伝達経路の存在が示唆された。一方、我々は、アドレノメデュリン(AM)のノックアウトマウスにより、AMもET-1同様、胎生期の血管発生および胎生期循環に関与していることを見出し、ET-1とAMと二つの血管内皮由来ペプチドが血管形成に重要な役割を果たすことを明らかにした。

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