著者
茂呂 雄二 篠崎 晃一
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、幼児の言語に関する、メタ認知を測定する研究方法を開発し、これを用いて幼児自身の方言-共通語の違いに関するメタ認知と使い分けの能力の発達過程を明らかにする。そしてこの知見をもとに、従来の単線型の言語発達理論に対して複線型の理論を開拓することを目的にした。以下の3点を行った。(1)個別実験にもとづく横断的方法によるデータ収集(2)自然談話の分析に基づく、幼児・児童のジャンルの使い分け能力の発達過程の記述(3)音声メタ認識を形成していない児童に対する形成実験の実施(1)については、成人から収集した方言音声に関する正誤判断課題、ならびにその簡約版としての質問紙型テストを作成し、実施した。幼児から中学生を被験者として得た資料から、小学校中学年からメタ言語能力の質的な転回が見られることが明らかになった。(2)については、幼児期から小学校への移行過程のビデオ資料と、児童の一日の言語生活資料を文字化してデータベースを構築した。(3)については、研究の方法論を整備し、異音韻を含む語でありながら、かな文字では区別不可能な単語対を文字化させる、『かな文字コンフリクト課題』を創案し、小学校低学年児童と高学年児童に実施し、音声に対する自覚の変化を追跡した。

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こんな研究ありました:方言・共通語音声の違いに関する幼児のメタ認知の獲得過程からみた言語発達プロセス(篠崎 晃一) http://t.co/ZvO31QrJf6

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