- 著者
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堀口 兵剛
中嶋 克行
姫野 誠一郎
松川 岳久
小松田 敦
千葉 百子
- 出版者
- 北里大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
鉱山由来の秋田県のカドミウム(Cd)汚染地域において、集落単位の住民健康診断と、腎機能低下患者を対象とする医療機関におけるCd腎症スクリーニングを実施した。多くの集落において農家中心の地元住民は自家産米摂取により現在でも高い体内Cd蓄積量を示した。Cdによる腎尿細管機能への影響は全体的には明確ではなかったが、Cd腎症と考えられる高齢患者が認められた。スクリーニングによりイタイイタイ病(イ病)患者を疑う人も見つかった。以上より、秋田県のCd汚染地域では現在でもCd腎症やイ病の患者が潜在するため、今後も住民のCdによる健康影響についての経過観察を継続する必要があると考えられた。