- 著者
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市原 恒一
陣川 雅樹
山田 健
豊川 勝生
井上 昭夫
小林 洋司
- 出版者
- 鳥取大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
間伐を実行して二酸化炭素の吸収量が多い健全な森林を作るため、および集材の際に排出される二酸化炭素量を削減するために、新しいモノレールを開発した。このモノレールは材を積載し斜面を降下する際に発電し、そのエネルギーを空荷で荷積み地点まで戻る際に利用するシステムを有する。このモノレールを用いて化石燃料の消費量が極めて少ない集材を実行し、間伐材を収穫して二酸化炭素の吸収固定量が多い健全な森林を作り、ゼロ・エミッション、すなわち廃棄物を出さない循環型の木材収穫システムの実現を目指した。試作機を用いて電気エネルギーと重力エネルギーの変換効率を測定すると、上りで0.50〜0.68、下りで0.18〜0.33と低い値になり、ゼロ・エミッションを達成することはできなかったが、化石燃料使用量を削減することができた。効率の高い直流モータとバッテリーおよび発電量を増加させるために歯車を入れるなどの改良点を明らかにした。地球環境を改善するために、環境倫理学に基づいた森林の管理法について検討を加えた。間伐材の集材ではコストを押さえることが重要である。このため、モノレールに搭載されたクレーンによる合理的な木寄せ法とモノレールへの積載法、最適複合路網計画法および軌条敷設作業能率などモノレール集材における作業の高能率化について検討した。ここで提案した木寄せ・積載法については、保残木を利用するためアウトリガーが不要で車両の軽量化と木寄せ地点間移動の簡素化を実現した。複合路網とは、急傾斜地ではモノレール、緩傾斜地では林道を敷設するものである。遺伝的アルゴリズムを用いて、敷設と木寄せに関わるコストが最も低い最適路網を求める方法を提案した。敷設作業能率については、軌条勾配と作業能率の関係を明らかにし、急傾斜地における敷設法に関する提案を行った。モノレール導入による、労働負担の軽減について定量的な効果を証明した。