著者
秋山 弘之 山口 富美夫
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 屋久島の蘚苔類相については, 新種2種を含む, 蘚類44科160属, 355種1亜種18変種2品種, 苔類37科87属304種2亜種2変種, ツノゴケ類1科5属6種が屋久島から報告されていることを確認した.我々の調査手法により, 68年ぶりに生育を確認されたフウチョウゴケに代表されるように, 多数の絶滅危惧植物の屋久島における分布状況が把握された. その一方, 20年前には豊富に産していた葉上着生苔類の減少が著しいことが明らかと成った.(2) 屋久島における蘚苔類の種多様性は, 淀川小屋周辺の林内にあることがわかった. 一方, 屋久島低地亜熱帯林から報告されている種については, 今回の調査でも確認することができない種が少なくなく, この地域での保全活動が緊急であることが示された.(3) 屋久島産ケゼニゴケには, 2倍体と3倍体の集団があり, それぞれ低地と高地にすみわけを行っていた.また, 屋久島3倍体は本州の3倍体集団に較べ, 琉球地域の2倍体集団に遺伝的により近いことがわかった.

言及状況

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こんな研究ありました:屋久島蘚苔類多様性の現状把握と保全についての研究(秋山 弘之) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/18570092

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