著者
久保 満佐子 崎尾 均 須貝 杏子
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

日本海にある隠岐諸島では,氷河期の遺存的な樹種が暖温帯に生育するのが特徴である。氷河期遺存樹種の分布を調べた結果,北方系針葉樹のヒメコマツは山地の露岩地,クロベは海岸から山地まで,第三紀遺存種のカツラは渓流沿いに分布していた。冷温帯樹種のミズナラは海岸から山地まで生育するものの島の北側に偏って分布し,北西の季節風の影響により冷涼で降水量の多い環境が生育地となっていると考えられた。さらに,遺伝的多様性を調べた結果,クロベは隠岐諸島を氷河期の避難地とした可能性があった。隠岐諸島は日本の気候変動における樹木の変遷を知る上で重要な島嶼であるといえる。

言及状況

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隠岐諸島にヒメコマツが分布するらしい。しかも標高は200〜400mとからしい。遺存植生って感じだ! https://t.co/9EWonNoXEc

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