著者
新開 大史 喜田 宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

インフルエンザウイルスの2度目以降の感染時に、そのウイルスに対する免疫反応より、初回感染ウイルスに対するそれが優位に誘導される現象が知られている。抗原原罪と呼ばれているが、この現象が誘導される機序と条件は解明されていない。問題は、季節性インフルエンザワクチン接種時に抗原原罪現象が起こることである。当該年度流行株のワクチンを接種しても、昔の流行株に対する免疫応答が誘導されてしまっては、効果が薄い。本研究の目的は、この現象の誘導機序をウイルス学と免疫学の双方の視点から明らかにし、効果的な季節性インフルエンザワクチンの開発や投与法の改善につなげることである。これまでに、インフルエンザウイルス感染マウスモデルを用いて実際に抗原原罪現象が起こることを確認した。また、中和抗体をハイスループットに解析可能なマイクロニュートアッセイの系を構築した。さらに、抗原原罪誘導動物モデルにおけるB 細胞の系統(レパトア)解析を行うためのプラットホームを確立し、マウスを用いた免疫グロブリン(Ig)遺伝子のレパトア解析を行った。決定した塩基配列をIg blastにて解析し、それぞれの免疫グロブリン(Ig)遺伝子のV、D、Jセグメントの由来を決定することができた。現在、膨大な量のIgレパトアの情報をどのように解析し、評価するか検討中である。また、体内のレパトア全体の解析に加えて、実際に抗原に反応する抗体レパトアを解析する手法を構築中である。

言及状況

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これって抗原原罪が現れているということなのでしょうか? 抗原原罪=インフルエンザに感染したり ワクチンを接種した後に見られる現象。 次に感染したり、ワクチン接種を行ったとき 対象とした株ではなく、最初の株に対する抗体が 作られること(だと思う)。 参考 https://t.co/HlgTBmfKpj https://t.co/1ztANwjDXI
@blanc0981 抗原原罪現象については英語版wikipedia「Original antigenic sin」を見られたい。日本語版wikipedia「抗原原罪現象」はインフルエンザにしか言及していない。 尚、インフルエンザワクチンの抗原原罪現象の説明は下記記事が判りやすい。 https://t.co/WjJNwT1I0c
なるほど、インフルエンザワクチンを毎年打っても、前年にできた抗体が反応して、新しい抗体ができないこともあると。 https://t.co/UGBIjTuEuc
@mai_uchida 尚、荒瀬教授らはデルタ株を基にワクチン作成すべきだと考えておられるようだが「抗原原罪」現象を考慮すれば楽観的すぎる。 https://t.co/WjJNwT1I0c 現行ワクチン接種後に変異株対応ワクチン注射しても効果大幅減。変異に強い経鼻ワクチン完成を待つべき。
@spoon129 @blanc0981 ADEを引き起こす変異株に対してワクチン抗原が「抗原原罪」を起こすか否かによると思います。 https://t.co/WjJNwT1I0c 抗原原罪現象が起こらねばワクチンによる抗体が消滅すればADEは起きない可能性が高く、抗原原罪現象が起きれば感染増強抗体が産生されます。
@blanc0981 従来株ワクチンを接種した者は、後でデルタ株ワクチン接種してもデルタ株に最適な抗体をわずかしか造れない可能性があります。インフルエンザ・ワクチンでの「抗原原罪」現象参照。 https://t.co/WjJNwT1I0c それゆえ分泌型IgA抗体誘導する経鼻ワクチンの方が良い。

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