著者
阿部 慶子
出版者
一関工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

コーヒーは,我々に「癒し」や「ひらめき」を与えてくれるとされる日本人にとってもはや一般的になった嗜好品である.さらに,生理的星医学的にも見直され,近年ますますその効果の研究が盛んになっている.毎日の生活の中で取り入れられている嗜好品として,コーヒーはその香味や新鮮な風味を維持しているかがしばしば問われることになるが,コーヒーが飲料の形になるまでは,生産国から輸入した生豆の状態から,選別・焙煎を経て,さらに粉砕という過程を経る.とくに,この時に発生する摩擦熱により,香味や風味が損なわれるとされていることから,本研究では,家庭用の手挽きコーヒーミルでどれほどの熱が発生し,美味しさや成分にどのような影響があるのかを解明することを目的とした.本研究では,新鮮な焙煎豆をグラインドし,その時に発生する粉砕熱を熱電対により測定したコーヒーミルにはカリタKH-3を使用し,粒度のサンプルをとった.次に,実験装置の構築のために3D-CADでミルをトレースした.なお,コーヒーメーカーにより抽出したコーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸成分を,高速液体クロマトグラフィーを用いて測定することを予定していたが,装置の都合により,粉砕熱を測定するところまでを実施した.測定の結果,2人分のコーヒー豆26gを,特に意識しないスピードで粉砕する際に,ミルの粉砕物が堆積する底部において5℃程度の温度上昇が確認できた.なお,本研究は国内の企業から研究協力をいただき,コーヒー起源伝説に関しての研究へと繋げることができた.その研究においては,コーヒー果実にもカフェインが含まれていることが明らかになり,コーヒー果実を煮出した液体と果実を搾った液体に含まれているカフェイン量をそれぞれ調べた結果,含有量はコーヒー飲料には及ばないものの,人体に覚醒効果をもたらすことができる十分な量と推測できた.(782字)
著者
瀬川 光政
出版者
一関工業高等専門学校
雑誌
一関工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:03854140)
巻号頁・発行日
no.40, pp.39-44, 2005-12

The system of mathematics developed in Japan during the Edo period (1603-1867) is called "Wasan (和算)"; "Wa" which means Japanese and "san" which means mathematics. The name is in contrast with "Yosan (洋算)", mathematics of Western (Occidental) world, which was introduced into Japan at the beginning of the Meiji era. The aim of this paper is to verify the four solutions discussed, concerning the center of gravity on circular cone, in Japanese Mathematics (Wasan), in those periods.
著者
貝原 巳樹雄 千葉 悦弥 金野 茂男
出版者
一関工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ハロゲン光源(近赤外光源)、光チョッパー、モノクロメーター、光センサー、プリアンプ、ロックインアンプ(高い信号対ノイズ比を実現するための特殊なアンプ)、モノクロメーターの波長送りモーター、制御およびデータ処理用PCをUSBで接続するタイプの原価20万円程度のプラスチック種類判別機を開発した。判別できるプラスチックの種類は13種類程度であるが、国内のプラスチック総生産量の約90%程度の種類判別をカバーできる。
著者
片方 江 中西 敏浩 鬼塚 政一
出版者
一関工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2009年度:特別な超越整函数に対して,『回転数が有界型のジーゲル円板の境界は擬円周である』を得た.またその系として,考察した特別な超越整函数の対数持ち上げは,境界が擬円周である遊走領域を持つことが分かった.2010年度:『回転数が有界型のジーゲル円板の境界は擬円周である』を満たす超越整函数の具体例を構成した.また,整函数全体の集合に力学系を考慮した位相を導入し,その位相における函数の摂動に対するジーゲル円板の変化を考察した.2011年度:微分方程式の定性的理論と複素力学系との間に密接な関連があることが分かり,複素力学系における(超)吸引的周期点・放物的周期点・ジーゲル点・クレーマー点と微分方程式における平衡点について研究を行った.