著者
迫 悟 山根 乙彦 浜本 國治 渡辺 大直 林 隆敏 細川 大 石川 啓作 坂口 啓
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.186-190, 1983-04-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
26
被引用文献数
1 3

黒毛和種牛3頭が同一農家で同時期に尋常性白斑を発症する珍しい症例を認めた. 家畜における本症の報告はわが国では初めてである. 白斑の分布は鼻鏡, 下唇, 舌裏, 眼瞼, 乳頭および外陰部の無毛部皮膚に認められた. 白斑の病型はヒトにおける伊藤の分類に従うと限局型皮膚障害であり, 井村らの分類に従うと自己免疫型の皮膚障害であった. 白斑の持続期間は2年以上の今日も持続している. 臨床病理所見ではヒトの自己免疫型にみられる甲状腺機能亢進が全例に, 2/3例にγ-globulin値の高値を認めた.